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【レジリエンスの使い方】マイナス思考から自分を解放する方法

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何もかも投げ出したくなるくらい人生には辛いときがあります。とくに今まさに、世界中がコロナ禍で大変な状況にあり、先が見えないだけに不安が増えるばかり…。

ようやく、日本でも緊急事態宣言が解除されましたが、メディアの第二次、第三次の余波がいつ来るか分からないという報道に不安をさらに掻き立てます。

だからこそ、どんな時も、どんな状況でも、『心を折らずに自分の人生を生き抜く強さ』がほしい! そのためにはどうしたらいいのか知りたい!

【レジリエンスの使い方】マイナス思考から自分を解放する方法

🌹こんな方におすすめです。

☑ 苦しい状況を緩和したい

☑ 少しでも強くなりたい

もし、あなたがネガティブな感情や思い込みから抜け出せずにいるとしたら、本来の自分の心に立ち返る方法を学ぶことが助けになるかもしれません。

負のスパイラルから脱出するためには、やはりネガティブな感情や思い込みに立ち向かうしかありません。そこで今回は、マイナス思考から自分を解き放つ方法をいくつかご紹介します。

🔹◆🔹

1.今の自分を励ます『座右の銘』を持とう!

艱難辛苦(かんなんしんく)という言葉があります。言葉では言い表せないほど大変な苦労という意味です。仕事や人間関係などで生じるさまざまな困難や苦労を表すときによく使われます。

艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)

ということわざがありますが、これは西洋のことわざ、「Adversity makes a man wise(逆境は人を賢明にする)」を意訳したものと言われています。

「たとえ今、あなたがどんなに辛くても、苦しくても、それらを受け入れ、目の前のことに取り組んでいくうちに、いつの間にか、あなたは磨かれて、美しく光り輝くのですよ」

という励ましの言葉にも聞こえますね。この座右の銘は、文学的表現としてもよく使われ、ちなみに、Adversityとは、逆境不運な出来事不幸という意味で、玉には磨かれて美しいものということです。

もし、座右の銘がない方は、ぜひ一つや二つほど今の自分に合った好きな言葉を探してみてください。辛い時ほど自分を励ます魔法の言葉になります。意味や由来を確認し、気に入ったらメモなどに記録して、自分のそばに置いておくと辛い時にこそ、元気をもらえますよ。

座右の銘が見つからない人は、ネットや書籍などで気になる著名人の動画や記事を探してみましょう。自分が目指す道の第一線で活躍する方の言葉には説得力があります。きっと、あなたに力をくれるはずです。

🔸◇🔸

たとえば、イチローさんの座右の銘は、

小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道

イチロー語録の代表的な名言ですね。大成果は小さな成果の積み重ね、大記録は小さな努力の積み重ね。 言うのはじつに簡単ですが、いつも自分を正すことが容易ではないことは、十分に理解できます。決して自分を甘やかさず、律していく難しさはやった人にしかわからない世界です。

結果は困難を伴って出すべき

イチローさんは常にご自分を戒める言葉をお持ちです。自分が求める結果は決して楽に手にすべきでないと言い切っています。人は欲しいものを手に入れると簡単に驕ってしまいがち。そこから油断が生じ、自分自身を過信するようになり、努力の質がどんどん低下していきます。

挙句の果てには、スランプに陥り、選手にとってもっとも避けなければならないケガを負ってしまいます。それでも、全力で努力を続け、困難を幾つも乗り越えた先には、物理的なことだけでなく、人としての器も一回りも二回りも大きくなります。

だからこそ、やっと手に居れた時の有難みが身に染みて分かりますし、良い結果を手にするためには、本気で向き合わなければいけないのだということを知ります。

目先の勝利だけに囚われず、勝ち続けるためには、誰よりも研究を重ね、誰よりも練習を積まなければ実現しない。

イチローさんのメッセージの中には、ピカリ!と光る言葉があちらこちらで見られますね。また、真面目な性格だからこそ、発せられた言葉だとも思います。彼の座右の銘は、勝ち続けるための心構えとも受け取れる素晴らしい名言ばかりです。

🔸◇🔸

その他にも、イスラエルで初の女性首相だったゴルダ・メイアさんはこんな言葉を残しています。

You’ll never fine a better sparring partner than adversity.

(逆境は最良のスパーリング・パートナーです)

この機会に今の自分に合った座右の銘を見つけ、いつも身近に置いておくと良いですよ。きっとあなたを励ます最高のメッセージとなるでしょう。

2.レジリエンスとは?

イチローさんもゴルダさんも私たちとあまり変わらないと思います。何が違うかと言えば、つねに正面から自分と向き合っているということです。たとえば、目標や夢に対して、何が自分にとって重要かを知っていますし、どのように生きるか計画を綿密にしています。

自分の考えを明確にし、問題があれば全力で対策を講じるなど、いつも自分を観察しています。どうしたら彼らのように自分と向き合い、前進できるのでしょうか。

何やってもうまくいかない…。自分にはできない…。

そのようなネガティブな自分を解き放つには、レジリエンスが必要です。レジリエンスとは、回復力、弾性、復元力という意味です。本来は物理学用語で、「外力による歪みを跳ね返す力」をいい、その反対用語である「ストレス」は、「外力による歪み」という意味であり、力によって歪む状態を指します。

つまり、レジリエンスはそれに抗う力であり、家族、人間関係、健康、仕事、金銭など、諸問題に対応できる個人の能力と定義されています。

1960年頃、 ドイツ人の心理学者ハインツ・ ウェルナー(Heinz Werner) が、長期にわたり劣悪な環境で育った子供たち600名を観察しました。3分の2の子供たちは、予想した通りに社会に適応する能力が低くかったにもかかわらず、残りの3分の1の子供たちは、きちんと成長し社会に適応する能力が高く、上手く生きているのが分かりました。この研究で、「その差は個体が持つレジリエンスの力である」としたのが精神医学で最初に取り上げられたとされています。

🔸◇🔸

レジリエンス研究の第一人者と言われるペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士は、レジリエンスとは「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」と定義しています。日本では、打たれ強いこと、折れない心、心のしなやかさ、といった表現をよく使っています。

レイビッチ博士は、レジリエンス、うつ病の予防、ポジティブ心理学の分野で活躍。科学とレジリエンスとポジティブ心理学の原則のトレーニングにおいて幅広い経験を持っています。

レジリエンスの教科書: 逆境をはね返す世界最強トレーニング  カレン・ライビッチ博士

3.成功へ導くレジリエンスの強化しよう!

何をはじめても上手くいかない。何度も失敗する…。

誰でも経験したことがあると思います。もう立ち上がることができないくらいへこんでしまうと、本当に何もしたくなくなります。そうなると、自分の人生の構想から本人が自らを戦力外通告するような状態になりかねません。

最初から、何かに挑戦することをあきらめていませんか。でも、そのようにはなりたくない。ここで「耐えて、耐えて、耐え抜いて、いつかきっと報われる日がやってくる!」と自分に言い聞かせるだけでいいのでしょうか。精神論で突き進めば、本当に成功をおさめることができるのでしょうか。

私自身も両親に「我慢する」「耐える」ことが当たり前だと教え込まれた経験があります。若いころは体力も気力もあったので、それで得することがあったかもしれません。

しかし、人生100年時代が到来した昨今、同じ体力や精神状態は長く続きません。努力は大切ですが、「気合だ!根性だ!」という精神論を追求すればするほど、のちのち想像以上のリスクを負う羽目になることもあるので注意が必要だと思います。心理的なダメージはやはり大きいのです。

自分の人生を謳歌するためには、レジリエンスの強化は必要不可欠だと言えます。心理的回復力(Psychological Resilience)、つまり、精神的または感情的に危機を対処する能力、または危機が起こる前の状態に迅速に戻る能力を身につけることが重要となります。

それではどうやってそれぞれの能力を高めていけばいいのでしょうか。

レジリエンスは、生態系の環境変化に対する復元力を表す言葉として環境学でも使用され、それが心理学分野にも展開されています。 ライビッチ博士は、レジリエンスを高める6つのコンピテンシーを挙げています。 コンピテンシーとは、優れた業績を残す人に共通の行動特性を指します。たとえば、何がその人を仕事のできる社員にしているか分析するものです。

レジリエンスを高める6つのコンピテンシー

  1. 自己認識:大切にしている価値観、人生目標
  2. 自制心:状況に応じた感情・思考・行動をコントロールする
  3. 精神的敏速性:多面的に捉え、大局的に対処する
  4. 楽観性:未来が良いものになるという確信
  5. 自己効力感:問題に対して、やればできるという自信
  6. つながり:他者とのつながり

西洋の研究では、どのように心理的および行動的能力を発達させることで、危機の最中でも冷静さを保ち、長期的な不況下でも影響を受けずに、自分の人生を着実に進むことができるのか、検証が行われています。

研究は、人の回復力を発達させ、維持するいくつかの要因があることを示しています。 短期的ではなく、長期的な視点で確実に進めていくように心がければ、効果が実感できるようになるでしょう。

そのためには、現実的な計画を立て、それらを実行するために必要な手順を策定します。たとえば、以下のように自分が問題視していることをリストアップして、どのようにしてその能力を高めるか計画を練ります。

リストアップ(例)
  • 実行できない能力 → 実行できる能力
  • 自分の強みと能力を確認 → 自分の強みと能力への自信
  • コミュニケーションと問題解決できる能力
  • 強い衝動や感情を管理する能力

今まで失敗した経験やネガティブな出来事、または、ストレスなことを思い出し、徹底的に分析します。思い出したことをブレイクダウンしていくと、第三者的に事象を俯瞰できるようになります。

どうしてそうなったのか、理由が明らかになるので、具体化したことによってストレスも軽減されます。なかなかうまくいかなくても自分を責めたりせずに、挑戦していることを認め、一歩ずつゆっくりと進めていきましょう。

たとえば、職場やプライベートでの人間関係で、本当は嫌だったり、苦手だったりしても無理に付き合ったりするとします。しかし、それを続けるとエネルギーが消耗されるだけで自分の人生にとってマイナスです。

そこで、私の場合ですが、時間を見つけては心理学の本や動画で心理学の講義を見て、自分にできそうなことから実践していきました。あらゆる場面で人がどのような心の動きをするのか、少しずつ分かってきたのです。そうなると、同時に自分の気持ちも分かってきて、むやみに我慢しなくなりました。自分の感情を大切にし始めると、相手の気持ちも大切にし始めます。

それは、心に少しゆとりができたからで、断りの言葉を発するときも、相手への配慮を忘れずに言葉を慎重に選びながら、自分の意思を的確に伝えようとします。

4.アメリカ心理学会が提唱する「レジリエンスを構築する10の方法」

アメリカ心理学会(The American Psychological Association)では、「レジリエンスを構築する10の方法」を提案しています。

  1. 親しい家族、友人、その他との良好な関係を維持する。
  2. 危機やストレスの多い出来事を耐え難い問題と見ないようにする。
  3. 変更できない状況なら、現実を受け入れる。
  4. 現実的な目標を立て、それらに向かって進める。
  5. 不利な状況でも、自分の力で立ち向かえることができるところまで明確化できたら、積極的に行動を取る。
  6. 過去の後悔や辛い経験の後、同じトラブルを経験しないように自己分析の機会を設ける。
  7. 過去の失敗から学び、解決策や失敗のパターンを理解し、自信をつける。
  8. 長期的な視点を維持し、より広い視野でストレスの多い出来事を考慮する。
  9. 希望に満ちた見通しを維持し、良いことを期待し、望んでいることを視覚化する。
  10. 心身のケアをし、定期的に運動し、自分のニーズや感情に注意を払う。

まず、レジリエンスの強化のために、自分にとって大切なことややりたいことを知り、心の底から求めていることを認めてから行動に移すようにします。くれぐれも自己犠牲や搾取されないように気をつけることが大切です。

つぎに困難をどのように乗り越えていけばいいのか、何に立ち向かうべきか、挑んだ先にどんなリスクがあるのか、新しいことを始めたときに生じる障害や苦悩はどんなものなのか、というように自分が直面するであろう問題をできるだけ明確化することでレジリエンスを構築していきます。

とかく人は、対処できないことが起きると現実逃避するか放置するか、をしてしまいます。自身で対処できるところまで明確化すれば後は行動あるのみです。

一般の概念に囚われないようにすることも大切です。たとえば、ネガティブ=悪いイメージではありません。ネガティブが長所になる場合があります。それは研究でも認められています。ネガティブな人は常に慎重で、ミスが少なく、綿密に仕事をこなします。

また、最悪のケースを想定し、行動していることから、慎重に物事を進め、確実に成果を上げていきます。ポジティブな人とはそれぞれ長所が違うだけです。

また、年齢によっても思考レベルは変化します。若い人ほど悲観的な考えに囚われやすいことも研究で分かっています。10代から20代前半は社会にかかわるにつれて悲観的になり、年齢を課されると徐々に楽観的に転じるようです。

最後に、失敗は成功のもと。失敗から実は多くを学んでいます。無駄なことは一切ありません。それは後々分かっていきます。(ホントですよ♪)レジリエンスを鍛えることで、人としても魅力的になっていくと思います。頑張っている人を見て感動したり、元気をもらったりしたことありませんか。それは、その人が失敗してもあきらめずに、さまざまな困難を乗り越えてきたからかもしれません。

まとめ

レジリエンスの強化、ネガティブな自分を解き放つ方法はいかがでしたか? 色んな事を乗り越えてはじめて成長できる。そして、少しずつ逆境に強い人になる。これを継続することで、レジリエンス(回復力)が身についていきます。

実のところ成功するかどうかということは後々にならないと分からないのが実情です。失敗だと思っていたことが、5年後、10年後に成功の種だったこともあるわけです。結果よりも物事の過程がなによりも大切であり、重要なことは、失敗するかもしれないという恐怖心を乗り越えて挑戦し続けることです。逆境こそ成功のチャンス。逆にコロナ禍を成長のきっかけにしちゃいましょう。

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🔶Author:あみ(Ami)🔶
メディアプロデューサー/英語講師
日本の私立短大家政科卒。証券会社に就職後、渡米。大学でテレビ、ラジオ、及び映画制作を学ぶ。卒業後、日本のテレビ・ラジオ・出版などマスメディアの仕事に従事。趣味は文化・伝統芸能・ヨガ・バレエ・料理。近年は心理学・歴史・神社仏閣の造詣を深める。2019年、神社検定弐級合格。

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