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『ハーバードの人生を変える教室』から学ぶ幸せの秘訣ベスト10【後半】

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前回に引き続き『ハーバードの人生を変える教室』から学ぶ幸せの秘訣ベスト10【後半】です。著者のタル・ベン・シャハ―さんは、どうすれば人は幸せに生きることができるのか、学術的な研究のもと、実際に授業で使われた50のワークがこの本にまとめられています。

よく見かける心理学の書籍とは違い、実践型の本ですので、すぐに実生活で活かせる知識が満載です。ワークをひとつずつ進めても、興味のあるワークから挑戦してみたり、ご自分のニーズに合ったやり方でOK。ワークを進めるごとに人生に変化をもたらしてくれるはずです。

お待たせしました。今回は前回に引き続き、『ハーバードの人生を変える教室』から学ぶ幸せの秘訣ベスト10【後半】5~1位の発表です。

🔽後半の『ハーバードの人生を変える教室』から学ぶ幸せの秘訣ベスト10を見逃した方はこちらをどうぞ!

『ハーバードの人生を変える教室』5~1位

【5位】自分の感情を理解する

あるものごとについて同時に肯定と否定をすることは不可能であると、アリストテレスの無矛盾律(Law of noncontradiction)で紹介され、それは倫理学の法則の1つとされています。つまり、同一律の法則、A=Aであり、例えば、「人間は人間である」し、「猫は猫である」ということです。この法則が成り立たないと、世の中訳が分からない状況になってしまいます。

第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンは、「尻尾を足と呼べば、犬には何本の足があることになると思う?」と尋ねると、「4本だよ。尻尾を足と呼んだところで、足になるわけじゃない」と自ら答えたそうです。

当たり前のことのように思えますが、あるものはそのもの自体であることを認めずに行動すると、決まって結果は悲惨なものになります。とくにネガティブな感情においては、同一律を尊重することは難しく、認めることで自尊心を傷つけてしまうことに恐れを感じるでしょう。

人を妬んだり、僻んだりする感情を認めることは、「自分は心が広い」と思いたい場合には、難しいかもしれません。それでも、

精神的に健康であるためには、自分が感じている感情をありのままに受け入れる

ことが大切です。あるがままの気持ちや現実を尊重することが幸福への第一歩として必要なことなのです。

🔸どうしたらあるがままの自分や現実を受け入れられるのでしょうか

本書では、自分の持って生まれた性質に抗わずに、「人間であること」を自分に許すとあります。日本人の気質として真面目な分、頑張り過ぎて心の隙間がなくなってしまうように思います。私自身も忙殺されると心が狭くなってしまい、まわりが見えなくなって失敗する度に「またやっちゃった…」とよく反省します。

そこで普段から少しずつ自分を大切にする練習をするようにしました。大切な人をケアするように、一番大切なお客様をもてなすように、辛い時ほど自分に豊かさを与えています。とっておきの紅茶を淹れて飲む、本や雑誌を読む、好きな音楽を聴く、アートに触れる、美味しいものを食べる、運動をするといった自分を豊かにする時間を積み重ねていくことで、自然と自分を尊重できる余裕が生まれてきます。

  • 恐れや不安、喜びや幸福感といったあらゆる感情を自由に持つことを自分に許す
🔷ワーク(あるがままを感じる)

椅子に楽な姿勢で座ります。横になっても大丈夫です。座る時は床に足がつくようにリラックスした姿勢で座ります。目を閉じ、呼吸に集中します。お腹いっぱいに空気を送り込むように深く息を吸い、ゆっくりと吐き出します。それを優しく繰り返して行います。

ここで自分の感情に集中してみましょう。平穏、幸福、不安、混乱、退屈などなど、今どのように自分が感じているか観察してみます。腹式呼吸を続けながら、気持ちにフォーカスしてください。

どんな感情を抱いているのか判断する必要はありません。どんな感情であれ、自然に自分の中をながれるようにします。あるがままに解き放たれる時間を味わいましょう。

今いる場所から想像して、外の世界へ行ってみましょう。通りに出てみたり、仕事に出かけたり、自分が動いている姿を心の目で眺めます。どう感じているのか感情にも集中してみましょう。打ち負かそうとせず、それを受け容れ、認められれば、人生はもっと軽やかにシンプルになります。

自分の中に流れる感情を認めながら、呼吸にフォーカスします。そして息を吐きながらゆっくりと目を開けます。

★哲学者のフランシス・ベーコンは次のような名言を残しています。

「自然に出す命令には、従わなくてはならない」

【4位】未来から今をながめる

もし、あなたが110歳なら、若いあなた自身に何を伝えますか。

本書には続いてこうあります。先日タイムマシンが発明され、それを最初に使える人にあなたは選ばれました。NASAの科学者である発明家が、この本を最初に読んだ日にあなたを過去に戻してくれます。経験豊かな人生を送り、知性や知恵を持ったあなたは過去にタイムスリップ。経験不足の若い自分と15分間過ごせることになりました。さあ、あなたは若い自分に何を伝え、どんなアドバイスをしますか。

これは著者が精神科医のアーヴィン・D・ヤーロムの癌の末期患者に関する報告書に、多くの患者は病気になる前よりも「人生に対する考え方が劇的に変化した」と読んだのがきっかけでした。

真正面から死と向き合うことで、人は過去や未来ではなく、完全に今を生きるようになります。些細なことで大騒ぎしなくなり、やりたくないことは無理してやらず、大切な家族や友人たちと一緒に楽しい時間を過ごしたり、すべての存在に心から感謝する気持ちが芽生えてくるそうです。

四季折々に変化する自然。新緑の山々が秋には紅葉し、春にはそこここに様々な花が咲き誇る。患者たちは、「どうして今まで分からなかったのでしょう。癌になって初めて、人生がどんなにすばらしいか、そしてどんなふうに一瞬一瞬を大切にしていけばいいかわかるなんて…」と言ったそうです。

🔸どうしたら同じ知恵と能力を持てるのでしょうか

本書では、患者が死の宣告受ける前にも、その人たちは同じ知恵と能力を持っていたというのです。つまり、新しい知識を身につけたわけではなく、今までずっと知っていたことにはっきりと気付いただけなのです。

  • あなたの中にもすでに同じ知恵と能力を持っている。ただそれに気づくだけ
🔷ワーク(内なる賢人に)

現在の実年齢より年上の自分を想像してみます。前述の「110歳の自分なら…」という想定でワークをしても大丈夫です。

もっと幸福になるためにはどうしたらいいか、現時点で始められることを若い時の自分にアドバイスしてください。

15分かけてノートやメモに書き出してみましょう。してもらったアドバイスは実際に実行してみましょう。たとえば、大切な家族との時間を持つことだったら、1週間に一度は家族で出かけるなど、具体的に予定に入れます。それを習慣化していきましょう。

定期的にこのワークを見直し、追加したりして、自分がアドバイスに従っているか問いかけてみましょう。

★作家のマーク・トウェインは次のような名言を残しています。

「80歳で生まれて徐々に18歳になっていくことができれば、人生は無限に幸福となるだろう」

【3位】嫉妬から学ぶ

本書にはタル・ベン・シャハ―さんが友人に嫉妬した時の経験談が紹介されています。あるセミナーで講義を受け持つことになり、ある分野の専門家だった友人と順番にやることになったそうです。ところが、その友人の仕事ぶりや講義での雄弁さに魅了されながらも、同時に著者自身が彼に対して嫉妬を感じていることに気が付きました。そんな自分に苛立ち、3日間眠ることができなくなるくらい嫉妬心で苦しんだそうです。

そこで、著者は正直に友人に最近感じていたことを話すことに決めました。本音を語って、どうしたらいいのか彼からアドバイスをもらおうと考えていました。すると、彼自身もシャハ―さんが講義する様子を見て、嫉妬を感じていたというのです。

シャハ―さんと友人はその後、互いの嫉妬について話し合ったそうです。話し合うことで気持ちが軽くなり、二人は以前よりももっと親しくなりました。最終的に二人は、

嫉妬は自然な感情で、ある意味では避けることはできないものと結論付けました。

負の感情を抑制しようとするほど、その感情は増幅し、自分たちを支配してしまう

最初の選択で、嫉妬の感情を受け入れる選択をすれば、次の選択をするのは簡単になります。もし、彼に嫉妬していることを認めなければ、友人に対して意地悪な行動をし、それを正当化していたかもしれないと著者は言います。一度、持った感情は、その感情を持った理由を欲します。彼と一緒にいることで感じる嫉妬などの不快感に対して、別の言い訳を見つけ出そうとしていたでしょう。

🔸嫉妬などの負の感情を持った時、どう行動したらいいのか

負の感情や考えを抑制することは、多くの害を及ぼすと言います。心理学者のレオナルド・ニューマンは、「防衛的投影」に関する研究で、

自分の欠点を認めたくない場合、人は他者にも同じような欠点を見つけようとする

と発表しました。実際には誰もそのような欠点が無くても、いつもまわりの人にそうした欠点を探すようになるそうです。

🔷ワーク(妬みの対象を知る)

どういったシチュエーションの時に嫉妬、妬み、嫉みなどを感じたかを思い出してみます。今、感じている負の感情はありますか。その感情をただ観察してみましょう。それを判断したり、変えたりせず、ありのままに受け入れ、適切な行動を取るとどうなると思いますか。

嫉妬や妬みや嫉みを感じたことを5つ書き出してください。最近のことでも昔のことでも大丈夫です。その時々の状況について、自分が感じたことや関係のある人たちとの話など書いてみましょう。

このワークをすることで、嫉妬や妬みなどの感情が緩和され、その気持ちを手放すことができるようになると言います。

★心理学者のウィリアム・ジェイムズは次のような名言を残しています。

「起こったことを認めることが、不運な出来事を克服する第一歩となる」

【2位】バランスをとる

実は私自身、若い頃は完璧主義で欲しがりで色々頑張ってしまい、自律神経失調症になった経験があります。今は良い意味での妥協ができるようになり、昔よりバランスよく生活できるようになりました。著者自身も若い頃、情熱的な完璧主義者だったと言います。長時間の労働、人付き合い、そして結婚して子供ができると生活が一変。優先順位が変わり、自分のしたいことをする時間が無くなったせいで、家でもオフィスでもイライラするようになったそうです。

その原因を分析すると、著者にとって重要な分野は5つありました。

  • 良い親であること
  • 良い夫であること
  • 仕事を充実させること
  • 良い友人であること
  • 健康であること

それら5つの分野は本人にとって大きな意義があり、しっかりと時間を使いたいと思っているものでした。

そこで、新しい方針を自分の人生に立てることにしたそうです。それが、

したいことをすべてしようとせずに、5つの分野をどの程度の活動が「ちょうど良い」のか探る

ことを考察しました。完璧な状態とちょうど良い状態を比較して見ましょう。

労働 完璧だと1日に12時間  現実的には9時5時までが妥当(幾つかの仕事を断ることは仕方がない)

健康 ヨガを一週間に6日、1回1時間半  現実的には1時間のヨガを週2回、プラス30分のジョギングを週3回

以上のような感じで実際に無理なくできるちょうど良いのは、週1回の妻との外出、週1回の友人との会食、残りの夜は家で家族と一緒に過ごすというのが、完璧主義者の理想からすると物足りないけれど、これが一番ちょうど良いことが分かったそうです。

🔸あなたにとって重要な分野は何か、どの程度の活動がちょうど良い

これを著者は、「最善主義的解決法」と言っています。これこそがあらゆる要求や制約に対応できる最善だということでした。そして、新たな発想が新しい意味での満足感にとって代わり、著者自身、それまでよりさらにエネルギッシュになり、物事に集中できるようになったそうです。

🔷ワーク(あきらめることを決める)

自分の人生にとって重要な分野を書き出しましょう。家族、職業、友人、恋愛、健康、芸術、旅行、趣味など、理想的に何がしたいか、またそれらにどのくらいの時間を費やしたいか書きます。

分野ごとに、何をあきらめられるか、何が絶対に必要かを決めましょう。その後、絶対に必要なものを「ちょうど良い」リストにリストアップしてみましょう。

リストアップしたことを実生活に取り入れた後も時折見直してください。何か変化があったら分析して、調整してみます。妥協したことで幸福感が目減りしていたら、他の分野の活動を減らして、その分の活動を妥協した分野に足してみるとか工夫してみましょう。

外的な制約と同じように、自分の内なる願望や欲望、そして必要性を大切にします。

★作家のアニー・ディラードは次のような名言を残しています。

「日々をどう過ごすのか。それが、人生をどう生きるかということだ」

【1位】本当の目標を知る

心の深奥にある信念や関心と一致する内的な目標のことを「セルフ・コンコーダント・ゴール(真の欲求に結び付いた目標)」と言います。アメリカのある心理学者は、そのような目標は自らの選択に基づき、自己と一体化したものだとしています。

その目標は、自らその目標を選んだと感じられることが大切で、それが義務的であったり、他人に良い印象を与えたいという欲求からだと、自分の欲求に深く根ざしたものではありません。また、「大金持ちになりたい」など、経済的な目標のほとんどは、内的な要因からくるセルフ・コンコーダント・ゴールではなく、明らかに外的な要因から生まれたものです。

本当の目標を知るためには、

自分が人生で何をしたいのかを知り、その欲求に素直になる勇気をもつ

ことが必要です。あなたにとってのセルフ・コンコーダント・ゴールは何ですか。自己実現のための目標を阻害する要因はありますか。それは内的要因ですか。それとも外的なものですか。

🔸どうやって真の欲求に基づいた目標を設定するのか

セルフ・コンコーダント・ゴールを見極め、自己実現の目標を明確にしていくことは思った以上に難しいかもしれません。しかし、難しい分、自分の目標をしっかりと表現し追求できる人は、そうでない人よりも成功を収め、さらにより幸福感を味わっていることが分かっています。

🔷ワーク(セルフ・コンコーダント・ゴールを設定)

人生において重要な分野で心底からこれがしたいと思うことはありますか。仕事や勉学などから人間関係までそれぞれの分野ごとに自分に問いかけてみてください。そして書き出していきます。

長期目標:人生の方向性をハッキリと持ち、長期間(1~30年)で達成したい目標。それは自分を成長させるもので、実際に目標を達成できるかどうかはここのワークでは重要ではありません。⇒この目標を立てる目的は、今生きている実感を持ちながら人生を堪能するという自由を手に入れることです。

短期目標:長期目標を段階分けしたもの。長期目標を達成するために、ある期間(1日、1ヵ月、1年)と言った短いスパンでそれぞれ何ができるか書いてみます。

行動計画:実際にやってみようと思う行動を予定表に書き入れます。毎日、毎週、毎月など定期的な習慣でも単発でも良いです。

積極的に自分の人生を構築していくために、まわりに流されずに自分の要求に根ざした活動をするようにしましょう。

★心理学者のディヴィッド・マイヤーズは次のような名言を残しています。

「望ましい環境の中で受動的に生きていくよりも、価値ある活動に熱中して目標に向かって進んでいくことによって、幸福は大きくなる」

◆🔷◆

◇まとめ◇

『ハーバードの人生を変える教室』から学ぶ幸せの秘訣ベスト10の後半も楽しんで頂けましたか? 混沌とした世界で生きていると気持ちが後ろ向きになります。それでも前向きに自分の人生を楽しめるように、自分に必要だと思ったワークがあったら、ぜひお試しくださいね。

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