前回にに引き続き、一度は行ってみたいバスツアー第三弾です。今回は、秩父の山奥に点在する三峯神社をご紹介します。
日本武尊や山犬伝説が残る三峯神社
三峯神社は1900年ほど前、景行天皇が国の平和を祈り、皇子である日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を東国に遣わし、尊一行は碓氷峠に向われる途中にこの三峯山に登られたそうです。
皇子は美しい自然の様子に感銘を受け、この国をお生みになった伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)の二神を、この国の永遠の平和を祈り、お祀りになったのが始まりです。
神社の東方には雲取山(くもとりさん)、白岩山(しらいわさん)、妙法ヶ岳(みょうほうがたけ)が聳えています。その三つの峯が美しく連なることから『三峯』と呼ばれるように。
また、天平時代は聖武天皇の御代に疫病が流行し、天皇は諸国の神社に病気平癒を祈願されます。三峯神社にも勅使を遣わし、「大明神」号の神号を奉りました。
さらに平安時代の文武天皇の御代には修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が伊豆から三峰山を行き来して修行を積んだそうです。
この頃からこの地は山伏が山に籠って悟りを得るという修験道が始まりました。多くの武将にも崇敬され、鎌倉時代の武将・畠山重忠は社前の大杉を奉納しています。
江戸時代には日光法印が各地に三峯信仰を広め、社殿の造営と現在の基を築き上げました。以前、三峯山は神様と仏様をお祀りしていましたが、明治の神仏判然令により神様だけを祀る神社となりました。
境内にはところどころに寺の面影が残っていて、三峯神社の個性的な魅力になっているように思います。
三ツ鳥居
境内の入り口には、三ツ鳥居があります。明神型鳥居の両脇に二つの小型の鳥居を組み合わせたものです。
国内に神社は8万社以上ありますが、 三ツ鳥居は非常には珍しく、諸説ありますが一桁しかないとも言われています。
三ツ鳥居をくぐると参道の両脇には苗木奉納の記念碑がずらりと並んでいました。
それはもう結構な数で、各地から多くの苗木がこの三峯神社に奉納されてきたようです。この辺りは厳粛な雰囲気が漂っていました。
ご本殿へは緩やかな上り坂になった参道を登っていきます。凛とした空気が心地よく、心身ともに引き締まる思いでした。
東京品川からも苗木が奉納されていました。中には明治100年記念の時のものもありました。
随身門
元禄4年(1691年)建立の随身門。現在の随身門は寛政4年(1792年)に再建されました。
昭和40年(1965年)の春に改修され、扁額は増山雪齋の筆跡ということです。
門を抜けると今までとは全く違った雰囲気を体験しました。参道脇の灯篭が本殿への道しるべのごとく私たち参拝者を導いてくださっているかのようです。
ご本殿
寛文元年(1661)11月に造営された一間社春日造り。全体に漆が塗られ、極彩色が施された美麗な本殿は見どころです。
ご拝殿
寛政12年(1800年)建立されたご拝殿は昭和37年(1962年)改修されました。
正面残って大額は有栖川宮一品親王殿下の御染筆だそうです。
内部の格天井には奥秩父の花木百数十種が画かれ、左右脇障子には竹林七賢人の彫刻が施され、華やかでありながら、重厚な雰囲気を醸し出していました。
平成24年に拝殿前にある敷石の左側に、なんとある神使(!?)のお姿が現れたそうです。
それが🔽の写真に写っていますので、確認してみてください。
信じるか、信じないかはあなた次第(笑)です…。
興雲閣
興雲閣は三峯神社に併設された宿泊施設。三峯講で訪れる方だけでなく、一般の参拝者や観光客も宿泊できるそうです。
こちらには「三峯神の湯」という温泉もあります。バスツアーでの滞在が他の神社よりも長かったので、ツアーに参加した人の中に温泉に浸かってきた人がいました。
日本武尊銅像
神社の創始者とされる日本武尊の銅像があります。 本体5.2m、地上15mの大きさ。周囲には野口雨情、斉藤茂吉らの歌碑もありました。
三峯神社はその他に、縁結びの木、御仮屋神社・奥宮遥拝殿などたくさんの見所があります。時間が足りなくて今回は行けませんでしたが、次回はじっくりまたこちらに伺いたいと思いました。
御朱印
三峯神社にも多くの参拝者で賑わっていました。こちらの社務所にも御朱印待ちの長蛇の列。
書いて頂いた御朱印は味わい深く、貴重な一枚となりましたが、ゴールデンウィークでいつも以上の賑わいもあり、午後3時過ぎともなると毛筆に疲れが少し伺えます。ご神職の方、お疲れ様です。そして有難うございました。
秩父三社を巡って
バスツアーで巡る秩父三社の旅いかがでしたか。宿泊するほどの時間が無くてもちょこっと旅をしてみたいときにバスツアーはとても便利です。
アクセスのあまりよくない秩父地方の神社巡りも日帰りツアーで行ってこれます。私自身も随分癒されました。忙しい方こそ、身心のリフレッシュに日帰りツアーお試しください。おすすめです。