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鎌倉・神社仏閣シリーズ②報国寺

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こんにちは!今回は鎌倉・神社仏閣シリーズ②として、竹の庭で有名な『報国寺』を訪ねました。足利尊氏の祖父が創立した報国寺は、創建当初の石庭を再現した枯山水はじつに見事で、鎌倉の歴史と自然を感じられるおすすめのスポットです。

鎌倉・神社仏閣シリーズ②

それでは報国寺をご紹介します。

❷報国寺(ほうこくじ)

  • 宗派 臨済宗建長寺派
  • 山号寺号 功臣山報国寺(こうしんさんほうこくじ)
  • 建立 1334年(建武元年)
  • 開山 天岸慧広(てんがんえこう)仏乗禅師
  • 開基 足利家時(足利宗家第6代当主)
🔼報国寺の山門

 報国寺は、足利家時を弔うために上杉重兼によって創建されました。重兼の伯母である上杉清子が家時の嫡子、貞氏(さだうじ)に嫁いでいたため、足利氏と上杉氏は親戚にあたります。

 1438年(永享10年)、室町時代に関東地方で起きた永享の乱で、4代鎌倉公方足利持氏の嫡子、義久がこの地で自害したとされています。報国寺境内のやぐらは、鎌倉地域に多く存在する横穴式の墳墓で、開基・足利家時と足利持氏の嫡子義久のお墓と伝わっています。

🔼横穴式墳墓(足利家時と4代足利持氏の嫡子義久の墳墓)

 山の尾根にはさまれた谷あいのことを谷戸(やと)と言い、報国寺のある谷戸は、かつて宅間派と呼ばれる芸術家集団が拠点にしたことから宅間谷(たくまがやつ)と呼ばれています。近代には、川端康成や林房雄といった鎌倉文士がこの土地に住んでいました。今日も連綿と続く報国寺の歴史を体感しながら参拝できます。

🔼本堂

本堂には、南北朝時代の仏師、宅間法眼(たくまほうげん)作と伝わる本尊「釈迦如来坐像」が安置されています。

🔼釈迦如来坐像
🔼禅定印 出典:ウィキペディア

 こちらの釈迦如来坐像は木造で、禅宗寺院でもっとも重要な仏様とされています。本像は禅定印(ぜんじょういん)を結び、瞑想している姿をしています。

🔼迦葉堂

 1978年(昭和53年)に造られたお堂です。お釈迦様の弟子、迦葉尊者の名をとり迦葉堂と名付けられました。2階建ての建物で、ここでは毎週日曜日の朝に坐禅会が行われています。

🔼鐘楼

 1757年(宝暦7年)に造られた鐘楼で、報国寺で最も古い建物です。本堂をはじめ他の建造物もかつては茅葺屋根でした。

2.ちょこっと歴史:臨済宗について

 臨済宗は、中国禅宗五家のひとつで、唐の時代の臨済義玄(りんざいぎげん)が開祖です。

🔼臨済義玄 出典:ウィキペディア

 日本では、鎌倉時代初期に明庵栄西(みょうあんえいさい)より伝えられ、曹洞宗、浄土真宗、時宗、法華宗とともに鎌倉新仏教のひとつに数えられます。

 栄西は、備中国(岡山県)吉備津宮の神官の子で、11歳で天台教学を学び、14歳で比叡山に入山しました。

🔼明菴栄西 出典:ウィキペディア

 28歳で入宋し、天台宗の経典(経巻60巻)を持ち帰りました。ところが、47歳で禅を究めるために再び入宋します。そこで、臨済宗黄龍派の虚庵懐敝(きあんえしょう)に師事し、5年目に印可を受けました。

 1195年(建久6年)、帰国後に栄西は、日本初の禅道場である聖福寺を博多に建立しました。しかし、すでに大きな勢力だった天台宗の僧侶たちから激しい非難がありました。その影響で朝廷から禅停止の命令を受けることになります。

 栄西は「興禅護国論」を執筆し、「自分の禅は最澄が伝えたものと同じ。比叡山仏教を再興するものである」と主張して、反対勢力の圧力に抵抗しました。主張が認められなかった栄西は再出発のために鎌倉へ向かいます。

 禅の厳しい修行が武士の気風に一致し、源頼朝の妻、北条政子が禅宗を気に入ったお陰で、寿福寺が与えられます。鎌倉幕府2代将軍源頼家が京都に建仁寺を建立すると住職に任命されます。

 鎌倉と京都に活動の場を与えられた栄西ですが、次第に日本における仏教の重鎮となっていきます。忘れてはならないのが、栄西は日本にお茶を広めた方だということです。「茶は養生の仙薬なり」ではじまる『喫茶養生記』を執筆し、鎌倉幕府3代将軍源実朝に献上しました。宋から茶の実を持ち帰り、大きな寺院跡にすぐに撒いたと言われています。布教とともに茶の栽培にも力を入れていたそうです。その後、日本の茶の湯文化が発展したことから栄西は茶の祖としても有名になりました。

 

アクセス

 鎌倉駅から直接行く場合は、京急バス5番のりば「金沢八景行き」「鎌倉霊園正門前太刀洗行き」「ハイランド循環」のいずれかに乗れます。浄明寺バス停下車で徒歩2分です。

※杉本寺(鎌倉・神社仏閣シリーズ➀で紹介した)からは県道204号を経由して徒歩5分で報国寺に来れます。

報国寺公式サイト:https://houkokuji.or.jp/

  • 〒248-0003 鎌倉市浄明寺2丁目7番4号
  • TEL:0467-22-0762 
  • 拝観時間:9:00〜16:00
  • 拝観料:一般(高校生以上)400円 小・中学生 200円

報国寺について

 報国寺の案内には次のような紹介がありました。

 足利、上杉両氏の菩提寺として栄えました。開山は5山文学を代表する天岸慧広(仏乗禅師)です。仏乗禅師は、中国より招聘された円覚寺の開山・無学祖元に師事し、のちに中国に渡って修行した高僧です。開山自筆と伝えられる『東帰集(とうきしゅう)』や、自ら使用した「天岸」、「慧広」の木印は国の重要文化財で、鎌倉国宝館に保管されています。

 孟宗竹(もうそうちく)の竹林が有名で、竹の寺とも言われています。

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About Hokokuji Temple

 Houkokuji temple flourished as the family temple of both the Ashikaga and Uesugi clans.

Its founding priest was Tengan Eko(posthumous Buddhist name-Butsujo-Zenji) , a prominent figure in the Zen Iiterary movement known as Gozan Bungaku.

Butsujo-Zenji was a high level priest. He Studied under the priest Mugaku Sogen, a priest invited from China and the founder of Engakuji Temple. Butsujo-Zenji's teachings, written in his own hand, titled "Toukushiyu" along with his personal wooden carved seals of "Tengan" and "Eko", are important National Cultural Properties and are housed in the Kamakura museum of National Treasures.

The temple is also famous for its Moso Bamboo gardens and is sometimes called "The Bamboo Temple".

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略縁起

 1334年(建武元年)に創建された報国寺は、仏乗禅師天岸慧広(ぶつじょうぜんじてんがんえこう)によって開山されました。この寺は、1284年(弘安7年)に亡くなった足利家時を弔うために、宅間谷に住んでいた上杉重兼によって創建されたと伝えられています。

 天岸慧広は、無学祖元や高峯顕日(こうほうけんにち)に学んだ後、入元して古林清茂(くりんせいむ)の門下で修行を積みました。帰朝後、重兼に招かれ、建武元年に報国寺に入りました。

 ご本尊は釈迦如来坐像で、仏師宅間法眼の作と言われています。宅間法眼の作と言われた迦葉像もありましたが、明治時代の火災によって焼失してしまいました。

 この迦葉像は「宅間の迦葉」と呼ばれる名作で、そのため報国寺が「宅間寺」「迦葉寺」と呼ばれた時期もあったそうです。今日も報国寺がある場所を「宅間谷(たくまがやつ)」と言いますが、これは宅間法眼の屋敷があったことに由来しています。

 ちなみに、現在迦葉堂に安置されている迦葉尊者立像は1978年(昭和53年)に迦葉堂を建立する折、製作されたものです。

無学祖元(むがくそげん):鎌倉中期に中国の南宋から来朝した臨済宗の僧。北条時宗の招請で来日。建長寺、円覚寺の住持となった。

※高峯顕日(こうほうけんにち):鎌倉時代の臨済宗の僧。後嵯峨天皇の皇子。京都東福寺円爾弁円(えんにべんえん)に入門。後に、兀庵普寧(ごったんふねい)や無学祖元などに師事。

当時、西の南浦紹明(なんぽじょうみょう)、東の高峯顕日として禅僧を代表したという。

※古林清茂(くりんせいむ):中国元代の禅僧。浙江省温州の人で、号は休居叟,金剛幢と称した。入元した日本の僧で彼の教えを請うた門下には,月林道皎、石室善玖などがいる。元代禅林の第一人者。

見どころ満載の寺・報国寺

竹の庭 Bamboo Garden
🔼報国寺の「竹の庭」

 竹は季節や天気、時間帯によってその見え方が変化します。竹の間に差し込む日差しや雨の日に滴る雨水、風で揺らいで軋む音など竹の様々な姿を楽しめます。

枯山水 Karesansui
🔼枯山水庭園

 創建当初の石庭を再現。山や川の様子を石で表した枯山水です。砂紋は、いろんな模様があるそうです。

苔 Moss
🔼竹だけでなく苔の美しさでも有名な報国寺

 山門から本堂に至るまでの参道や竹の庭に多くの石が苔生しています。雨上がりには青々と映えた美しい苔の姿を見ることが出来ます。

🔼報国寺境内には数十種類の苔が生息

 報国寺では、竹の報国寺ではなく、「竹と苔の報国寺」を目標にプロジェクトを進めているそうです。庭師さんをはじめ、苔の専門業者さんの定期的な管理が行き届いているので、いつ伺っても見ごたえがあります。

休耕庵 Cafe
🔼休耕庵
🔼竹林を眺めながら、お抹茶が頂けます!
◇🔹おすすめの鎌倉のおみやげ🔹◇

 鎌倉のおみやげと言えば、やっぱりクルミっこでしょう!1954年(昭和29年)、鎌倉市雪ノ下に菓子処紅谷を創業したのが始まりです。本店はいつも午前中で売り切れてしまうそうで、過去2回ほど午後に行ったら売り切れで手ぶらで帰ったことがあります。それくらい人気のある商品でおすすめです!

クルミっこ🐿

🔼パッケージのリスがレトロで可愛い!
🔼8個入のクルミっこ。5個入りと16個入りもあります。
🔼バターの生地の間には自家製キャラメルとくるみがぎっしり!
🔼くるみとキャラメルのコクが口にいっぱい広がります。

濃厚なクルミと甘さ控えめのキャラメルのバランスが絶妙。
知り合いにお土産に買っていくとすごく喜ばれます。

鎌倉紅谷 https://www.kamakurabeniya.com/collections/kurumicco

まとめ

 報国寺は何度か行っていますが、いつ行っても整えられた竹林は美しく、風に吹かれて笹の葉がサラサラと擦れる音が心に響きました。笹の葉の擦れは「笹鳴り」と言うそうです。

 報国寺から杉本寺鎌倉・神社仏閣シリーズ➀で紹介した)まで県道204号経由で歩いて5分くらい(350m) で行ける距離。見どころの寺を2カ所、半日で回れる魅力的なコースです!鎌倉の土地自体、訪れる度に新しい発見がある観光地。ぜひ足を運んでみてくださいね。

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🔸Author:あみ(Ami)🔸

メディアプロデューサー/英語講師
日本の私立短大家政科卒。証券会社に就職後、渡米。大学でテレビ、ラジオ、及び映画制作を学ぶ。卒業後、日本のテレビ・ラジオ・出版などマスメディアの仕事に従事。趣味は日本文化・伝統芸能・ヨガ・旅行・料理。近年は心理学・歴史・神社仏閣の造詣を深める。2019年、神社検定弐級合格。

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