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オススメ美術館シリーズ➀箱根美術館で日本のやきものを堪能!その1

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新宿駅から2時間ほどでアクセスできる箱根は、美と伝統文化の宝庫として知られています。その中でも、箱根美術館は最も歴史のある美術館のひとつです。

この美術館では、縄文土器から埴輪、そして丹波、備前、瀬戸、信楽など、日本の陶磁器の傑作が数多く展示されています。さらに、美術館に併設された庭園は、四季折々の美しい景色が楽しめ、オススメのスポットです。

庭園内の苔庭はじつに見事で、茶室で季節の和菓子と抹茶を頂きながら眺める景色は、まさに最高!のひとときで、笑顔がこぼれること間違いありません。(笑)

東京からのアクセスが良く、自然と歴史に気軽に触れることができる箱根美術館。縄文土器から信楽焼まで、美術館内で数々の宝物に出会い、美しい庭園で季節を感じながら心身を癒してみませんか。今回は箱根美術館の魅力を余すことなくご紹介します。

オススメ美術館シリーズ➀箱根美術館 その1

箱根美術館は、日本美術のうち、陶磁器を扱っています。1952年(昭和27年)6月15日に開館。創立者は岡田茂吉氏で、「美術品は決して独占するべきものではなく、一人でも多くの人に見せ、娯しませ、人間の品性を向上させる事こそ、文化の発展に大いに寄与」するという信念に基づき、強羅に美術館を開館しました。

「優れた美術品には、人々の魂を浄化し、心に安らぎを与え、幸福を誘う力がある」との考えから戦後は、東洋美術の海外流出の防止を目指しました。

今回のブログでは、日本の古代文化や芸術に焦点を当て、詳しく掘り下げていきます。写真撮影が可能だった日本陶磁器の作品をできるだけご紹介したいと思います。まずは我が国最古の土器からお楽しみください。

縄文土器

縄文土器は我が国最古の土器です。これらの土器は、表面に特有の縄目文様を持つことから縄文土器と呼ばれています。

縄文土器の制作過程は興味深く、巧みに粘土ひもを積み重ねて形成し、その後に文様を施す手法が用いられています。そして、野焼きによって焼成されます。

縄文土器の出現年代は放射性炭素(C14)年代測定法によって明らかになり、およそ1万2千年前に登場したとされています。

その後、1万年にわたる縄文時代はさまざまな時期に分けられており、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期と6つに分類され、それぞれの時期にさまざまな技術が取り入れられ、進化していきました。

では、古代のやきものの魅力について詳しく探ってみましょう。

Jomon Pottery

Jomon pottery, widely acknowledged as Japan's oldest ceramic treasure, offers a remarkable glimpse into the nation's ancient heritage. Its defining feature, the characteristic rope-pattern (known as "Jomon" in Japanese), is a testament to the skill and artistry of the artisans who crafted these exquisite pieces.

In this article, we embark on a journey to uncover the secrets of Jomon pottery, exploring its creation process, historical significance, and the fascinating epochs it traversed.

The Artistry of Jomon Pottery

Jomon pottery's creation is a testament to the craftsmanship of ancient Japanese artisans. They skillfully stacked strips of clay to shape vessels, and in some cases, pressed ropes onto the surface, resulting in the iconic rope patterns. These vessels were then meticulously fired in open fires, adding to their allure.

Tracing Jomon Pottery Through Time

Jomon pottery's origins are believed to extend back to as early as 10,000 BCE, as confirmed by radiocarbon dating tests. This remarkable pottery tradition spans a vast timeline, which scholars have divided into six distinctive phases:

  1. Incipient Jomon (10,500-8,000 BCE)
  2. Earliest Jomon (8,000-5,000 BCE)
  3. Early Jomon (5,000-2,500 BCE)
  4. Middle Jomon (2,500-1,500 BCE)
  5. Late Jomon (1,500-1,000 BCE)
  6. Final Jomon (1,000-300 BCE)

Our journey through the world of Jomon pottery will take us through each of these stages, unraveling the stories behind these extraordinary artifacts. Join us as we delve deeper into Japan's ancient past through the lens of its oldest pottery treasures.

➀縄文火焔型深鉢(じょうもんかえんがたふかばち)
🔼縄文火焔型深鉢(じょうもんかえんがたふかばち)
  • 縄文時代 中期
  • 紀元前3500~2500年
  • 新潟県出土
  • Jomon Pottery Middle Jomon Period
  • 3500 B.C.-2500 B.C.
  • Excavated at Niigata pref.
②弥生朱彩土器壺(やよいしゅさいどきつぼ)
🔼弥生朱彩土器壺(やよいしゅさいどきつぼ)
  • 弥生時代 2世紀
  • Red Colored Jar
  • Yayoi pottery
  • Yayoi period, 2nd c.
③壺形埴輪 三角透文壺(つぼがたはにわ さんかくすかしもんつぼ)
🔼壺形埴輪 三角透文壺(つぼがたはにわ さんかくすかしもんつぼ)
  • 弥生後期~古墳時代初期 3~4世紀
  • 茨城出土
  • Haniwa, The Shape Of Jar
  • Terra-Cotta Ware
  • Yayoi to Tumulus period, 3rd- 4th c.
  • Excavated at Ibaraki pref.

埴輪(はにわ)

埴輪は、古墳時代に創られた素焼きの陶磁器です。古代の美しいアートフォームは、同じ時代の土師器に質的に似ていますが、厚手で柔らかく、鮮やかな赤みを帯びた色調が特徴です。

その時代の埴輪は、埋葬された王墓や墳丘墓で発見されることが多く、古墳を飾り立てるのに使われました。埴輪には、円筒埴輪のほか、器財埴輪、家形埴輪、人物埴輪、動物埴輪など様々な種類が存在します。

埴輪は轆轤(ろくろ)や型を使わずに、長い紐や平らな板の形に延ばした粘土を巧みに組み合わせて作られています。そのために、埴輪には他の陶磁器とは異なる手法で製作されています。その特徴のひとつは、内部が空っぽになった中空体を作り、組み立てられたものがあります。

当時の社会や宗教的信念に深い影響を与えたことから、埴輪は古代日本の文化と歴史に触れられる貴重な美術品でしょう。

Haniwa (Terracotta Figures)

Haniwa, a fascinating relic of ancient Japan, was mass-produced during the Kofun period, which spanned from the 3rd- 6th century AD. These distinctive objects served as both ritual and funerary items. Typically fashioned from terracotta clay, their texture bears a resemblance to the contemporaneous earthenware known as Hajiki.

Haniwa exhibits an array of shapes and sizes, ranging from simple cylinders to intricate depictions of houses, humans, and animals. These remarkable artifacts were mericulously arranged in circular formations stop the tombs of esteemed indiviluals.

Intriguingly, they were constructed using a method that involved assembling hollow parts, crafted from strips and sheets of clay, in an upward fashion from the base.

➀重要文化財 埴輪 天冠(てんかん)をつけた男子
🔼重要文化財 埴輪 天冠(てんかん)をつけた男子
  • 古墳時代 6~7世紀
  • 群馬県出土
  • Male Figure Of Haniwa
  • Terra-Cotta Ware
  • Tumulus Period, 6th-7th c.
  • Excavated at Gunma pref.
  • Important Cultural Property

三角形の冠を付けた盛装姿の男子の埴輪です。紐で結んだ鬟(みずら)を肩までたらし、首には玉飾りが付けられています。両腕に籠手(こて)をつけ、籠手の上から鞆を装着、腰には太刀が吊るしてあります。この武装した男子埴輪は、赤褐色の素焼きでほど良い固さに仕上げられています。

お顔は凛々しく、大きな目に高い鼻、そしてヘラで切った小さな口が特徴です。長い筒袖のついた丸襟の上衣を身に纏い、紐結びが上下二か所あり、左前の裾が広くなっています。太い袴は襞(ひだ)折りが施され、膝上で結ばれています。人物埴輪の中では精密に制作されたもののひとつで、重要文化財に指定されています。

②埴輪 壺を捧げる女子
🔼埴輪 壺を捧げる女子
  • 古墳時代 6~7世紀
  • Female Figure Of Haniwa Holding A Bowl
  • Terra-Cotta Ware
  • Tumulus Period, 6th-7th c.

壺や坏(つき)を手に持つ女性の埴輪は、関東から東北地方にかけて他の遺跡でも幾つか発掘されています。女性の髪型は、後世で言う島田髷風に結い上げており、裳(も)を身に着けています。この服装は多く見られるものですが、この埴輪では上衣の裾に深い刻線が施され、何か新しい要素を感じさせます。

③埴輪 兎(うさぎ)
🔼埴輪 兎(うさぎ)正面
🔼埴輪 兎(うさぎ)
  • 古墳時代 6~7世紀
  • 千葉県出土
  • Rabbit Fugure Of Haniwa
  • Terra-Cotta Ware
  • Tumulus Period, 6th-7th c.
  • Excavated at Chiba pref.

兎の埴輪は類例がありません。これは耳の短い野兎か、やや首を傾けた表情や左右の耳の動きなど、非常にリアルに描かれています。細長い目や口のしわなど、ウサギらしい特徴も見事に再現されています。また、二本の太い足は土中に立てるためのものと考えられており、前足と後足の上部には焼成中の割れを防ぐための穴が開けられています。

須恵器

須恵器は、日本の陶磁器の歴史において重要な位置を占めています。その起源は古墳時代に遡り、5世紀の中頃にその生産が開始されました。この時期には、朝鮮半島から導入された轆轤による成形技術と、穴窯で1000度以上の高温で焼成する技術が導入され、硬質な焼き物の制作が可能になりました。

須恵器は多種多様な形状を持ち、食器類から祭器、古墳の副葬品に至るまでさまざまな用途に使用されました。一般的に灰色の色調が特徴で、中には赤黒く焼けたものや白土の上に緑色の美しい自然釉のかかったものもあります。須恵器は我が国の陶磁器産業の礎を築いたと言われています。

Sue Pottery

Sue pottery is believed to have originated in Korea during the fifth century. The introduction of potter's wheel and kiln technology from Korea to Japan marked a significant turning point. This technological advancement enabled the creation of smooth stoneware and firing at temperatures exceeding 1000 degrees Celsius.

A diverse array of vessels, ranging from bowls and plates to intricate ritual ornaments, was produced using this innovative method. Sue pottery typically features shades of ash, although some pieces exhibit reddish burns or a natural ash glaze. It is widely accepted that the aesthetic qualities of Sue pottery laid the foundation for Japanese ceramics.

➀縄文壺(じょうもんつぼ)
🔼縄文壺(じょうもんつぼ)
  • 縄文時代 晩期
  • 青森県青森市沢山平野出土
  • Jar
  • Jomon Pottery
  • Final Jomon Period
  • Excavated at Aomori pref.
②須恵器台付碗(すえきだいつきわん)
🔼須恵器台付碗(すえきだいつきわん)
  • 古墳時代 7世紀
  • Pedestalled Bowl
  • Sue Ware
  • Tumulus Period, 7th c.

平らな底板から立ち上げられた脚と碗が組み合わさっており、わずかに外向きに開いたデザインの台付碗です。5世紀頃にはこのような形の須恵器の高杯が見られますが、この台付碗には作行に柔らかさや温かさがあります。器肌は灰黒色をしており、滑らかな暗緑色の灰釉が美しく施されています。この釉薬は、台付碗の外観をより一層引き立てています。

歴史的には、このやきものは江戸時代から茶碗として使われていたようです。箱書には馬上杯とあり、その実用性と美しさから、多くの人々を魅了しました。その証拠に収集家としても有名な8代目坂東三津五郎氏が愛蔵していたこともあり、まことに珍しい須恵器です。

③ 須恵器皮袋型瓶(すえきかわぶくろがたへい)
🔼須恵器皮袋型瓶(すえきかわぶくろがたへい)
  • 古墳時代 6~7世紀
  • Bottle In Shape Of Leather Bag
  • Sue Ware
  • Tumulus Period, 6th-7th c.

この須恵器皮袋型瓶は、その名の通り、液体容器としての皮袋を模した須恵器です。この作品は、まさにリアルな再現力に驚かされます。皮の質感や縫い目など、細部にわたって表現されています。

この須恵器の制作方法は独自で、轆轤を使用してひいた碗を逆さまにし、その底に穴を開け、別途制作した口を取り付け、最後に碗の口を押し付けて一文字に仕上げるという手法が用いられました。日本国内で製作されたものの中でも、異国情緒を持つ珍しいアートピースと言えます。

④須恵器長頸瓶(すえきちょうけいへい)
🔼須恵器長頸瓶(すえきちょうけいへい)
  • 平安時代 10世紀
  • Long Neck Bottle
  • Sue Ware
  • Heian Period,10th c.

近畿地方を中心に西日本での須恵器の生産が減少し始めた時期、東日本での生産は興隆期を迎えました。10世紀後半から11世紀における須恵器は、酸化焔焼成(さんかえんしょうせい)という特別な焼成技法を用いた作品が特徴です。これは関東地方の技法で、須恵器は赤褐色に焼き上がり、その外観は一段と魅力的となりました。

古墳時代から続く広口壺の系列に属するやきもので、口がラッパのように開かれ、肩に張りを持っています。その堂々とした器形と赤褐色の焼き上がりは、日本独自の陶磁器の本格的な誕生を感じさせます。

⑤須恵器縄付押葉文壺(すえきなわつきおしばもんつぼ)
🔼須恵器縄付押葉文壺(すえきなわつきおしばもんつぼ)
  • 平安時代 11世紀
  • Jar
  • Sue Ware
  • Heian Period,11th c.

この土器は、元々共蓋であった可能性があり、低い振れ止めの立ち上がりを持ち、鐔状(つばじょう)の横突起を受け口に備えています。また、頸部は非常に短く、肩の張りは強調されつつも、胴部は円筒状にシンプルに仕上げられています。

肩から胴にかけては、縄状に土を盛り上げ、肩際の縄には型で押印した葉が連ね吊るされているのが特徴的です。この土器は灰黒色で焼き締まり、肩部にはわずかに自然釉が見られます。その独特なデザインと焼き締まった表面で魅力を放っています。

まとめ

「オススメ美術館シリーズ➀箱根美術館・その1」は如何でしたか。箱根美術館は、東京から手軽にアクセスできる素晴らしい観光スポットです。日本の陶磁器の美しさや多様性を堪能することができ、美術館内のコレクションは本当に見応えがあります。

東京から日帰りで訪れることができ、大自然と日本の歴史に触れる贅沢な体験ができます。ぜひ、機会があれば訪れてみてくださいね。今回は縄文から須恵器まで紹介しました。次回は常滑や渥美など、陶磁器の傑作を紹介する予定です。お楽しみに。

🔼箱根美術館

箱根美術館 (Hakone Museum Of Art) 情報

所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300

TEL:0460-82-2623

開館時間:4月~11月 9:30-16:30(最終入館16:00まで)

     12月~3月 9:30-16:00(最終入館15:30まで)

休館日:木曜日(祝休日の場合は開館)、年末年始、展示替え日

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