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【保存版】『紅の豚』の知っておきたい豆知識!最初は短編映画の予定だった!? 

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ジブリ作品といえば、女性ファンが圧倒的に多いですが、映画『紅の豚』の場合は志向が違い、男性ファンが多い作品です。それもそのはず。宮崎駿監督がターゲットにしたのは、世界を駆け巡り、国際線に乗る疲れ切った監督と同年代のビジネスマンでした…。

紅の豚』は、当初は短編映画で制作されるはずでした。宮崎監督が絵コンテを進めていく過程で、みるみるうちに構想が膨らみ、長編化してしまったことは有名な話ですね。

本作はジブリ映画には珍しく、複雑な物語の中に大人の恋愛を盛り込んで描かれています。画面に広がる美しい空や海、そして風情のある街並みなど綺麗な風景が目白押しです。 そこで今回は、紅の豚の放映に合わせ、鑑賞するなら知っておきたいトリビア・豆知識をまとめてみました。

『紅の豚』の知っておきたい豆知識!

  • 英題:Porco Rosso
  • 原作・脚本・監督:宮崎 駿
  • プロデューサー:鈴木敏夫
  • 音楽:久石 譲
  • 主題歌:加藤登紀子
  • 声の出演:森山周一郎 ⋅ 加藤登紀子 ⋅ 桂 三枝 ⋅ 上條恒彦 ⋅ 岡村明美 ⋅ 大塚明夫
  • 上映時間:約93分
  • 配給:東宝
  • 公開日:1992.7.18(土)

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映画『紅の豚』には原作あり!

紅の豚』は、宮崎駿が脚本・監督を務め、スタジオジブリが日本航空と徳間書店と共同制作したアドベンチャー映画です。この作品から宮崎監督作品はすべて東宝が配給しています。

この作品は、大日本絵画から出版された『月刊モデルグラフィックス』の創刊号から宮崎監督が連載していた漫画『宮崎駿の雑想ノート』の14話に収録された『飛行艇時代』に基づいて制作されています。

飛行艇時代』は14~16話までポルコ・ロッソシリーズとして連載され、その後、書籍化されました。

当初、短編映画として『紅の豚』は企画されました。ところが、この頃の予算では宮崎作品のクオリティには満たないことが分かり、企画が暗礁に乗り上げました。そこで、鈴木敏夫プロデューサーは親交のあったJALに企画協力を持ち掛け、30分程度の機内上映作品として企画されます。

どうして短編作品が長編化したの?

紅の豚』は当初、『おもいでぽろぽろ』で神経質になったスタッフのためのリハビリとして企画した作品。気軽に余裕を持って作る予定でした。上映時間30分、予算は約2億円と決まっていました。ところが、絵コンテを作っていくうちに宮崎監督の妄想が広がり、短編から長編作品に変更されることに。

また、機内上映エンターテイメント作品から、劇場用作品として転換され、結局、スタッフへの配慮でリハビリとして始まった企画が、長編化したことでさらに負担を掛けることになってしまいました。

紅の豚』の物語

紅の豚』は空を飛ぶロマンと夢、そして男の誇りをもとに描かれています。物語の舞台は、1930年のイタリアのアドリア海。第一次世界大戦後の国内は疲弊し、新たな戦争の予感に怯えていた時代でした。生活が困窮した飛行機乗り達は空賊となって暴れ回り、その空賊を追いかけ、賞金稼ぎを生業とした主人公のポルコ・ロッソを中心に展開していきます。

ポルコはかつて空軍のエースパイロットとして活躍していました。ところが、呪いが彼を豚に変身させます。その彼を取り巻く空賊たちと幼なじみのジーナ、そして飛行艇設計士のフィオとの関係が複雑に絡み合い、最後まで気が抜けないジブリ的には珍しい大人向けの物語となっています。(ラブコメだね!)

主人公のポルコ・ロッソとは?

  • 本名:マルコ・パゴット
  • 生まれた年:1893年

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※時代設定は1920年代末とされていますが、インタビューで宮崎監督は1930年とコメントしています。すると、ポルコは「37歳」という設定になります。

空賊たちに恐れられるほど、空中戦で抜群の腕を持つマルコ。彼らからは“ポルコ・ロッソ(赤い豚)”と呼ばれています。

ポルコ・ロッソ」は、イタリア語で罵り言葉だそうです。これについて、宮崎監督は次のように語っています。

「ポルコ・ロッソというイタリア名にしたらイタリアの中産階級以上の人はみんな猛反対しましたよ。ポルコと言うのは罵り言葉で卑猥な男とか、淫乱とかそういう意味があるんです。しかもロッソで、赤い豚野郎となると非常によくない語感だ、ポルノ映画と思われるというんですね」

紅の豚』の名言・名セリフ

大人の男性たちが粋で少しカッコつけたセリフが人気です。他方、大人びた女性のセリフもどこか切なくて心に染み入るものばかりです。名言・名セリフから、もう一度違った角度からこの作品を観てみるのも楽しいかもしれませんね。

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◆ポルコ・ロッソの名言◆

「カッコイイとは、こういうことさ」(This is what it means to be cool)

「飛ばねぇ豚はただの豚だ」(A pig who doesn't fly is just an ordinary pig)

「飛べば、見える」(If you fly, you can see)

「飛ばねえ豚は、ただの豚だ」

「なぁ~に、軽いもんよ」

「馬鹿野郎!そういうのは1番大事な時にとってけ!」

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◆マダム・ジーナの名セリフ◆

「人を伝言板か何かと思っているの?いくら心配しても、あんたたち飛行艇乗りは、女を桟橋の金具くらいにしか考えてないんでしょう。マルコ、今にローストポークになっちゃうから…。私イヤよ、そんなお葬式…」

「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」

「マルコ、マルコ聞いてる?あなたもう1人の女の子を不幸にする気なの?」

◆🔹◆

◆フィオ・ピッコロの名セリフ◆

「飛行機乗りは、船乗りよりも勇敢で、陸の飛行機乗りより誇り高いんだって」

「ジーナさんの賭けがどうなったかは、私たちだけの秘密…」

なぜイタリアのアドリア海が『紅の豚』の舞台に?

それはたんに宮崎監督の好きな飛行機が多いからでした。当時のインタビューで次のように語っています。

「戦闘飛行艇が、しかも僕が好きな奴が飛んでる時代というと、極限されてきて、それでアドリア海になったわけです。ところがアドリア海が、政治的な紛争の中心になってきたものですから、ただ青い海、白い雲が浮いているアドリア海があるんだってのは、初めはその気だったんですけど、出来なくなったんですね」

どうしてポルコは豚になった?

作中で「なぜポルコが豚になったのか」の理由は明確に語られていませんでした。それでも、

誰かがポルコを豚にした

ポルコ自身が魔法をかけて豚になった

など、いくつもの憶測は飛び交っています。

先の戦争で1人だけ生き残ったポルコ自身に贖罪意識があって、

亡くなった戦友たちを守ることが出来なかった自分は人間の価値もないと、その罪を償うために自ら魔法をかけて豚になった」と言ったものや、

欲にまみれた人間社会にうんざりしたから」自分の姿を変えたとか、

飛行艇乗りの夫を亡くしたジーナへの心遣い」など、いくつもの説もあります。

ジーナは飛行艇乗りと3回結婚していましたが、3人とも戦争で命を落としたため、本作の中でジーナは、「もう涙も枯れちゃったわ」と言っています。

同じ飛行艇乗りのポルコは、ジーナの恋人にならないように醜い豚の姿になり、二度とジーナを悲しみの淵に沈まないように配慮したのではないかという憶測もあります。

ポルコは人間に戻るのか?

作中でポルコが人間に戻ったシーンが2度あります。

カーチスとの決闘前夜に弾丸をチェックしているところをフィオに目撃された時」と

カーチスとの決闘後にフィオにキスされた時」です。

カーチスとの戦いの後に一瞬人間の姿になったのは、フィオにキスされて、彼女の自分へのピュアな気持ちと駆け付けたジーナの言葉も相まって魔法が解けたのではないかと推測されています。

どれも推測の域を出ませんが、映画をより楽しむために自分なりに思案を巡らせてみるのも良いかもしれません。

はっきりしていることは、世間や戦争にうんざりしたポルコが自分で豚の姿になることを切望し、空賊を追いかけ、賞金稼ぎをする生活を選びました。宮崎監督自身がそう発言しているようで、これからも豚の姿で生きていき、ときに人間の姿に戻ることもあるようです(笑)。

どうなった?ジーナの賭け

「私、いま賭けをしてるから。私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら今度こそ愛そうって賭けしてるの。でも、そのバカ、夜のお店にしか来ないわ。日差しの中へはちっとも出てこない」

ポルコと敵対するカーチスに口説かれたジーナが言ったセリフです。本作ではどうなったのか明確になっていませんが、物語が終わった後、大人になったフィオがホテル・アドリアーノへ飛んで行くカットで、

「ジーナさんはますますキレイになっていくし、古い馴染みも通ってくる」というのがあります。その絵の後に、ホテル・アドリアーノの桟橋に赤い飛行艇が停泊しているのが映っています。それは、「ジーナ専用の裏庭」に直結している桟橋でした。

一部のファンの間では、「そうか、ポルコはジーナと結ばれたんだ。人間に戻って、昼間に彼女と裏庭で待ち合わせでもしているのだろう」と、ジーナは賭けに勝ったと有力視する見方もあります。

オタキングの岡田さんの分析は?

岡田斗司夫さんの見立ては他のとは違っていて、興味深いので紹介します。

あの夏のポルコとカーチスの対決から40年後、フィオは自分が設計したジェット飛行艇に乗ってホテル・アドリアーノを訪れます。すると、ポルコのサボイアが停泊している。「やっぱり、ポルコはジーナと幸せに暮らしたんだ」と思わせておいて、しかしながら、ジーナの裏庭が映っても誰もいない。

そこで、フィオの「私たちだけの秘密…」という語りが入ることで、桟橋に停泊したポルコの赤い飛行艇は現役を引退した古い機体で、すでに使用されていないものでした。

じつは、ポルコは70歳になっても彼自身は引退せずに現役で、新型のサボイアで今日も大空を飛び回っているということでした。だから、裏庭には誰もいないのです。

新型のサボイアにデザインされたハートマークの中にジーナの頭文字“G”がしっかり描かれています。つまり、それは彼にとって結婚指輪と同等であり、

俺は結婚して指輪してるけど、キャバクラとか行って姉ちゃんたちと遊んだりすることを忘れてるわけじゃないぜ」という意味だといいます。

40年後のポルコは相変わらず、旅客機の横を飛んでって、女の子たちに親指たてて、キャーキャー言われ、「俺ってかっこいいだろ?」とビューンと飛行艇で去って行くという毎日を40年前と何ら変わりなく続けていたのでした。

もともとは、『紅の豚』はJALの国際線に乗る中年のオジサン向けに作るはずだった映画でしたね。よって、岡田さん曰く、

ご同輩、俺達中年のオジサンというのは女房持ちなんだから、浮気はしちゃいけない。でも、若い女にモテようとする色気を忘れちゃいけないですよ

というメッセージが含まれているのだそうです。

しかし、このラストシーンは本来の「中年おじさん向けの映画」という目的が変更になったために削除されたと考えているようです。

岡田さんは最後に、宮崎監督が描きたかったのは、「ジーナとポルコの関係ではなく、ポルコ・ロッソという個人」であり、何故ならこれは私小説だと言います。つまり、ポルコは宮崎駿監督自身なんですね。

まとめ

宮崎監督がどうして主人公を豚にしたのかについて、理由のひとつを次のように語っています。「豚は尊敬されないけど、少なくともあんまり憎まれない」からということです。監督自身、自画像に豚を描くことで知られていますね。

あくまでも推測ですが、気障なハンサムだと周りの雑音が激しくなりそうだから、敢えて外見は豚さんにしたような気もします。もしポルコ=宮崎監督なら(笑)

紅の豚を初めて観る方も○回観る方も。宮崎監督のように妄想を膨らませて、作品を楽しんでみてくださいね。

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