現実に目を向けて、問題解決することが大切だってことは分かるけど、どうしたらいいのか分からない…。そういうことがどんな人生でも起こります。そして、人は悩み出すと、自分自身が信じられなくなります。そして、
「自分なんて…」
「どうせ私なんか…」
「何ひとつ自分でできない」
「~に違いない」
「絶対、そうに決まってる」
「~そうするべき」
などという考えがぐるぐる回ってしまいます。そうなると、気持ちが大きく動揺したり、辛くなったりして、次第に呼吸が浅くなり、精神的にも不安定になります。
そして、その状態から早く逃げ出したいばかりに、その助けを占いなど外部の存在に求めます。でも、残念ながらそれは賢明な判断ではないのです。
私も昔、パニックになり、過酷な時期を経験しました。だから、その苦しみはよく分かります。でも大丈夫!
🔷本来の自分を取り戻せば、自分にとって最善の進むべき道が見えてきます。
そこで今回は、『逆境を乗り越える人が持つ3つの共通点』をご紹介します。
逆境を乗り越える人が持つ共通点とは?
外部に頼るよりも自分自身を変える方が近道です。
「自信がない」「自分が信じられない」人ほどだまされたり、他人に利用されてしまいがちです。当然、運気も下がって⤵しまいます。
成功している人の多くは、自分の感覚をとことん信じています。そして逆境を乗り越える力が備わっています。自信がない人とはどこが違うのでしょうか。それでは逆境を乗り越える人の共通点3つを見てみましょう。
逆境を乗り越える人の共通点3つ
1.自分の運命は自分で決める
自分の置かれた環境を受け入れ、限られた条件の中でも、自分の力で現状に働きかけることで、自分の運命を変えることができると考える。
2.矛盾する性格を持つ
自分の中には、楽観的かつ悲観的な矛盾する性格を持ち合わせていることを知っている。その矛盾に対して悲観視しない。
3.すべては「学び」と考える
どれほど苦しくて辛い経験だとしても、それから学び、自分を成長させられることを信じる。あきらめたらそこで成長が止まることを知っている。
受け止め方次第で現実が変わる
同じ環境でも、文句ばかり言っていつもしかめっ面している人がいる一方で、問題があっても基本的に元気に笑顔で働く人がいます。
その違いは、自分が置かれた立場や仕事や学問への解釈が違うからです。つまり、どのように受け止め、どのように理解し、どのように考えるか、ということです。
もう何十年も前になってしまいましたが(^^;)、社会人になったばかりの私は、社会人としての心得を学ぼうとちまたで話題になっていた必読書を何冊もよんだことをよく覚えています。
哲学や歴史書も教養のために読みました。その中の一冊に、イソップ童話の「3人のレンガ職人」の話が載っていました。それには、「物事は捉え方次第で変わる!」と説明するためにその寓話が引用されていたのです。
当時、独特な社風に馴染めなかった私でしたが、なぜかあの時、これを読んで腑に落ちました。そして、自分の与えらえた仕事を精一杯やるようになりました。
その寓話とは、こんなお話です。
『3人のレンガ職人』のお話
ある旅人がある町外れの道を歩いていると、1人のレンガ職人がむずかしい表情をしてレンガを積んでいるところに出会った。
旅人が「ここであなたは、何をしているのですか?」と尋ねると、
レンガ職人は、「見れば分かるだろう。親方の指示でレンガを積んでるのさ。朝から晩まで、レンガを積まなきゃならないんだ。あんた達には分からんだろうが、暑い日も寒い日も一日中レンガ積みさ。腰は痛いし、手なんかこの通り…」
レンガ職人は自分のひび割れた両手を差し出して見せた。「まったくもってついてないよ。いつまでこんなこと続けなければならないんだ。世の中にはもっと楽しくやっている奴らがごまんといるというのに…」
旅人は「大変ですね」とその男に慰めの言葉を残して歩き出した。
旅人が少し歩いていくと、別のレンガ職人に出会った。また、「何をしているのですか?」と尋ねると、
2人目のレンガ職人は、「レンガで壁を作っているのさ。これが俺の仕事なんだ」と答えた。
旅人は「大変ですね」と労わりの言葉をかけた。
レンガ職人は「どうってことないさ。この仕事のお陰で俺は家族を養っているんだ。ここでこうやって仕事ができるから家族全員食べていけるのさ。大変だなんて言ったら罰が当たるよ」
旅人は励ましの言葉を残し、再び歩き始めた。
旅人がさらに歩いていくと、また別のレンガ職人に出会った。なんだか楽しそうにレンガを積んでいる男に旅人は興味深く「何をしているのですか?」と尋ねた。
3人目のレンガ職人は、「俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだよ。」と答えた。
旅人は「大変ですね」と労わりの言葉をかけた。すると、男は言った。「とんでもない。こんな仕事ができるなんて光栄だよ。これが完成すれば、多くの人の拠り所になるだろう。」
旅人はレンガ職人に礼を言って、また元気に歩き出した。
意識の違いで人生は大きく変わっていく
3人のレンガ職人は同じ作業しています。けれでも、意思や志が違います。1人目は仕事をやらされている。2人目は大切な家族のためではあるけれど、否応なしに働いている。2人ともレンガの壁しか視野に入っていません。
ところが、3人目は、歴史的な事業に参加している自分に誇りと、多くの人を喜ばせたいという目的意識を持って仕事をしています。しかも、目の前のレンガの壁だけでなく未来を見据えているのです。
🔷意思があるところに道があり!
▶じつはこの話には続きがあります。さあ、10年後にこの3人はどうなったでしょうか。
10年後の『3人のレンガ職人』
1人目のレンガ職人は、ブツブツ言いながら昔と変わらずレンガを積んでいました。
2人目のレンガ職人は、賃金の高い危険の伴う屋根に上って作業をしていました。
3人目のレンガ職人は、もはやレンガ職人ではなく、現場監督として多くの職人を育成し、出来上がった大聖堂には男の名前が付けられました。
≪こぼれ話≫
じつは「3人のレンガ職人」の話の原作者は、ピーター・F・ドラッカー(Peter F. Drucker)と言われています。この著書(ドラッカー名著集14 マネージメント[中] )の中に似たような話があります。
🔼ドラッカー名著集14 マネジメント[中]―課題、責任、実践
ただし、登場人物はレンガ職人ではなく、三人の石工の話だということです。
この童話は、経営やマネージメントの立場の人々に良く用いられていますが、個々がそれぞれの人生においても、目的を持って生きることで、モチベーションが高まり、幸せに生きるための示唆にもなると思います。
🔽ピーター・F・ドラッカーの他の人気書籍はこちら。
自分への心配りを…
自分に対して、「あれもダメ」「これもダメ」とダメ出しする代わりに、自分自身を否定的な思いで決めつけないようにすれば、徐々に自分が解放され、前向きに対応できるようになります。
そのためには、日々カラダとココロのケアが欠かせません。そのことについては次回にご紹介します。お楽しみに。
🔷もっと詳しく学びたい方におすすめの本🔷
▶幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門