これまで世界各国の国王、大統領、首相などをお迎えしてきた外交の舞台である迎賓館赤坂離宮。主要国首脳会議などの国際会議の場としても使われています。
2019年5月にトランプ大統領閣下及び同令夫人が国賓としてその場を訪れたのは記憶に新しいですね。
【赤坂離宮】迎賓館でアフタヌーンティー!
7月31日より、その華やかな洋風建築のお庭で、アフタヌーンティーが楽しめます。まるでヨーロッパの宮殿を巡っているような、そんな錯覚を起こしてくれます。今回は贅沢な気分を味わえるランチと迎賓館の概要とともにご紹介します。きっと、コロナ疲れも吹き飛びますよ。
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迎賓館赤坂離宮の参観方法
一般公開の入場は、西門のみとなっています。敷地内に入ると、体温測定とセキュリティ・チェックを受けます。係員から説明を受けた後、チケットを購入します。
≪通常時の参観料≫
参観コースは以下の4種類
①本館・庭園:一般1,500円、大学生1,000円、中高生500円、小学生以下は無料
②和風別館・本館・庭園: 一般2,000円、大学生1,500円、中高生700円、※小学生以下は参観不可。
③和風別館・庭園: 一般1,500円、大学生1,000円、中高生500円、 ※小学生以下は参観不可。
④庭園:一般300円、大学生以下無料
▣公開時間:10:00~17:00(最終受付16:00)
参観概要の詳細は、内閣府の公式サイトでご確認ください。館内は撮影禁止となっていますので、ご注意ください。
迎賓館赤坂離宮について
明治42年に東宮御所として建築された、国内で唯一のネオ・バロック様式の宮殿建築物で、「明治の洋風建築技術の総決算」と言われる本格的な近代洋風建築です。
大東亜戦争以降、日本は困難を乗り越え、たった数十年で国際社会へ復帰し、国賓を迎える機会が増えました。そのため、迎賓館は国の迎賓施設として大規模な改修をし、昭和49年に和風別館の新設と合わせて今の迎賓館赤坂離宮が誕生しました。
平成21年にも大規模な改修工事が施され、日本建築を代表する国宝に指定されました。これまれ多くの国王、大統領、首相などをおもてなししたほかに、主要国首脳会議などの国際会議の場としても利用されています。先のトランプ大統領来日の際にも使われました。
≪施設概要≫
所在地: 東京都港区元赤坂2-1-1
敷地面積: 約12万平方メートル
本館構造: 鉄骨補強煉瓦石造、地上2階(地下1階)
延床面積: 約1万5000平方メートル
迎賓館のこれまでの歩み
▣ 1899~1909(明治32~42年)
大正天皇が皇太子殿下だった頃、ご成婚を控え、お住まいになられた洋風の東宮御所を新たに建設することに。明治期に洋風建築を牽引していた英国人のジョサイア・コンドル博士(工部大学校(現東京大学の前身)造家学科教授)の直弟子だった片山東熊の総指揮の下、著名な学者、芸術家、技術者等が結集して建設にあたりました。
▣ 1923~1928(大正12~昭和3年)
大正天皇のために建設されたはずでしたが、実際にお住まいになられたのは、摂政宮殿下(後の昭和天皇)でした。
▣ 1945~1946(昭和20~21年)
当時皇太子殿下だった上皇陛下のお住まいとして使われました。
▣ 1948(昭和23年)
戦後、皇室財産であった赤坂離宮の建物とその敷地は、国へ移管され、行政財産になりました。
東宮御所として出発した赤坂離宮の建物ですが、大正天皇の摂政宮でいらした昭和天皇が震災から昭和3年までお住まいになった他、英国皇太子や満州国皇帝溥儀などの宿泊に使用されたといいます。
戦後は、国立国会図書館(1948~61年)、法務庁法制意見局(1948~60年)、裁判官弾劾裁判所(1948~70年)、憲法調査会(1956~60年)、東京オリンピック組織委員会(1961~65年)など、庁舎として使用されました。
▣ 1968(昭和43年)
赤坂離宮を大規模改修し、迎賓館として生まれ変わります。それは国際交流が盛んになり、海外からの賓客を迎える機会が増加したためでした。国の本格的な迎賓施設として赤坂離宮が充てられる方針が立てられたのです。
昭和43年からの大改修工事では、本館の設計に建築家の村野藤吾が担当、昭和49年に完成しました。また、日本様式の接待を行うために別館の新築を建築家の谷口吉郎に依頼しています。
▣ 1974(昭和49年)
改修工事開始から6年後の1974年3月に完了。迎賓館赤坂離宮としてリニューアルオープンしました。
▣ 2009(平成21年)
創建100年となる2009年に、旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)本館、車寄せ並びに階段附属、正門、塀、東西衛舎、主庭噴水池、主庭階段が国宝に指定されました。
▣ 2016(平成28年)
一般公開を開始。迎賓館の参観は、事前予約なしで大丈夫です。和風別館の参観を希望の場合、事前予約が必要となります。なお、小学生以下のお子さんの和風別館の見学はできませんのでご注意ください。
夏のアフタヌーンティーセット
前庭のキッチンカーで提供している「アフタヌーン・ティー」。 1日20食限定 です。前庭のテーブル、席は、通常12セット48席、ガーデンカフェ時には25セット100席。2020年7月30日よりオンラインで事前予約ができるようになりました。詳細は予約サイトで確認できます。2ヶ月前からお申込み可能です。
↗写真の右側に見える赤いパラソルが開いた辺りがカフェです。洋風建築を正面に眺めながらのティータイムはまさに至福のひととき。コロナ禍でストレスのある生活を強いられた昨今、このような雰囲気の中でいただくティーセットは格別です。
アフタヌーンティーの内容をご紹介します。メニューは時期によって内容が変わりますので、サイトでご確認ください。今回、頂いたのは夏のアフタヌーンティーセットです。
- 1セット 4,800円(税込)
- 2人分の紅茶(ホット/アイス)
※紅茶はダージリン、アッサム、アールグレイの茶葉から選べます。
🔹上段🔹
- ラフランスのタルト
- マカロン
- 季節の果物、フィナンシェ(シトラス)
- テット・ド・モワンヌ
🔹中段🔹
- グジェール ブラックオリーブのタブナード
- ケークサレ
- イングリッシュスコーン ジャムとマスカルポーネ添え
🔹下段🔹
- カナッペ 和牛のコンビーフ
- クロワッサンサンド キュウリとチーズのサーモンロール
▣ キッチンカーの営業時間 10:00~17:00(ラストオーダー16:30、アフタヌーンティーのラストオーダーのみ16:00)
アフタヌーンティーは写真・右奥に見える黄緑のキッチンカ―で販売されています。1セットが2人前ですので、注文する際にはお気を付けください。キッチンカーがもう一台あり、冷たい飲み物やスナックなどが販売されています。
◭まとめ◮
国宝の洋風建築の前庭で頂く、夏のアフタヌーンティーはいかがでしたか? 一日限定20食ですので、前もって予約されると安心です。
サンドイッチもスイーツも美味しく、紅茶との相性も抜群でした。今回、初めて訪れた迎賓館赤坂離宮でしたが、参観した後のティーブレイク、贅沢な気分を十分に味わえました。皆さんもぜひ東京で非日常を体験してみてくださいね。
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🔶Author:あみ(Ami)🔶
メディアプロデューサー/英語講師
日本の私立短期大家政科卒。証券会社に就職後、渡米。大学でテレビ、ラジオ、及び映画制作を学ぶ。卒業後、日本のテレビ・ラジオ・出版などマスメディアの仕事に従事。趣味は文化・伝統芸能・ヨガ・料理。近年は心理学・歴史・神社仏閣の造詣を深める。2019年、神社検定弐級合格。