2020年開催予定のイベントやフェスティバルが次々にキャンセルされてガッカリしていませんか? 楽しみを奪われた気分になりますよね。全国のジャズフェスも例外ではなく、例年通りのステージはできないと開催中止を次々に発表しています。
そこで今回は、夏だからこそ聴きたい、家でも楽しめる夏ジャズの人気曲をご紹介します。
【夏に聴きたいジャズ】おすすめの名曲&アルバム5選
▣ジャズって夏のイメージないんじゃない⁉
あまりジャズを聴かない人はそう思うかもしれません。ジャズの名曲には、重くて暗めの作品がかなりあるので、どうしてもが夏のイメージとはかけ離れてしまいます。例えば、マイルス・デイビス、ビル・エバンズ、そしてジョン・コルトレーンなどがあります。
じつはジャズの種類は豊富で、暑い夏をさらに盛り上げてくれそうな熱情のジャズ・ナンバーがあったり、逆にジメジメした蒸し暑さから解放してくるような心地の良いグルーブがあったり、ジャズが私たちの夏に与えてくれる効果はじつに幅広く、様々です。
おすすめの名曲&アルバム5選
▣楽しい会話を邪魔しない、雰囲気を大切にしたい方におすすめ!
家族とバーベキューしながらビール片手にジャズを聴くも良し、飾り付けした部屋で大切なパートナーとジャズを聴きながら大好きなワインに酔いしれるのも良し!自分のスタイルや好みに合った曲をぜひ見つけてみてください。
第5位 Gold
エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング(Ella Fitzgerald & Louis Armstrong)
⊛夏に聴きたいおススメ曲:3.サマータイム(Summertime)
◆ Song Title ◆ (Disc 1) | |
1 | Let's Fall In Love |
2 | Ev'ry Time We Say Goodbye |
3 | ★Summertime(by Louis Armstrong & Ella Fitzgerald) |
4 | A Fine Romance(by Ella Fitzgerald & Louis Armstrong) |
5 | The Very Thought Of You |
6 | Mack The Knife (Live At The Deutschlandhalle, Berlin/1960) [feat. The Paul Smith Quartet] |
7 | Let's Do It (Let's Fall In Love) (Master Take) |
8 | Cheek To Cheek(by Ella Fitzgerald & Louis Armstrong) |
9 | The Lady Is A Tramp |
10 | Get Happy |
11 | I Get A Kick Out Of You |
12 | Misty |
13 | Embraceable You |
14 | I Love Paris |
15 | I Can't Give You Anything But Love (Live At Teatro Sistina, Rome, Italy / 1958) |
16 | Georgia On My Mind |
17 | But Not For Me(by Ella Fitzgerald and Nelson Riddle & His Orchestra) |
18 | Blue Skies |
19 | Someone To Watch Over Me |
現在では、 「サマータイム」はジャズのスタンダード・ナンバーとして定着していますが、もとは1920年代初め、南部の町に住むアフリカ系アメリカ人の生活をリアルに描いたオペラ「ポーギーとベス(Porgy and Bess)」のために作られた曲。アメリカを代表する作曲家ジョージ・ガーシュインが作曲し、劇中では舞台の冒頭で演奏され、生まれたばかりの赤子のために母親が歌います。
「サマータイム」 は、エラ&ルイ以外にもビリー・ホリデイやマイルス・デイヴィスなどもジャズカバーしたことで人気を博し、現在ではポップス、ロックなど幅広い分野で歌われています。Goldに収録された「サマータイム」は、軽快なエラとルイのデュエットを楽しむことができます。対照的な二人の声が、なぜか蒸し暑さを一掃してくれる、そんな心地よいハーモニーが響き渡ります。
注)アルバムは2枚組です。今回紹介したリストは1枚目の楽曲のみ。
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第4位 The Sound of Summer Running
⊛夏に聴きたいおススメ曲:3.サマーランニング(Summer Running)
◆ Song Title ◆ | |
1 | Faith In You |
2 | Ghost Town |
3 | ★Summer Running |
4 | With My Boots On |
5 | Union Pacific |
6 | Porch Swing |
7 | Dingy-Dong Day |
8 | The Adventures Of Max And Ben |
9 | In A Quiet Place |
10 | For A Thousand Years |
ベーシストのマーク・ジョンソンが2人のトップギターリスト、ジョイ・バロンとビル・フリゼール、そしてドラマ―のパット・メセニーと作り上げた名作のジャズアルバム。梅雨明けの初夏、木陰で心地のよい風に吹かれながら青空を仰ぎ見る…。そんな爽やかさを味わえるサウンドが収録されています。
ギターの旋律は、抒情的でアメリカの片田舎を連想させるほど長閑で優しく、かなり落ち着いた演奏です。それもそのはずで、フリゼールの演奏はかなり抑えめで、メセニーにおいては、彼のエレクトリックギターとアコースティックギター、それに加えて42弦のピカソギターを交互に使って演奏しています。
弾けるようなハイテンポ、またはクラッシックなジャズとは程遠いですが、リラックスした気分を味わいたい人には打ってつけのアルバムです。ジャケットも一度見たら忘れらないくらい突出したデザインで、晴れた日の午後に、つい聴きたくなってしまう1枚です。
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第3位 Surf Ride
⊛夏に聴きたいおススメ曲:6.サーフ・ライド(Surf Ride)
◆ Song Title ◆ | |
1 | Tickle Toe |
2 | Chili Pepper |
3 | Susie The Poodle |
4 | Brown Gold |
5 | Holiday Flight |
6 | ★Surf Ride |
7 | Straight Life |
8 | Cinnamon |
9 | Thyme Time |
10 | The Way You Look Tonight |
11 | Nutmeg |
12 | Art's Oregano |
西海岸を代表するサックス奏者であるアート・ペッパー。この『Surf Ride』は、彼のデビュー作で、1952年から54年のセッション(3回)から構成されています。
1回目のセッションでは、ピアノのハンプトン・ホーズを迎えたカルテット、2回目のセッションでは、ピアノのラス・フリーマンを迎えたカルテット、3回目のセッションでは、ピアノにクロード・ウィリアムソン、 テナーサックスにジャック・モントローズをそれぞれ迎えたクインテット。いずれの演奏者も素晴らしく、それぞれの個性的な演奏スタイルが楽しめます。
軽快で明るい曲が特徴で、ペッパーの独特のリズムや音色がすでに確立されています。ソロパートでは、アップテンポの素晴らしい演奏を魅せ付けてくれて、夏にふさわしい元気をもらえるアルバムです。
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第2位 Half The Perfect World
⊛夏に聴きたいおススメ曲:2.サマーウィンド(The Summer Wind)
◆ Song Title ◆ | |
1 | I'm All Right |
2 | ★The Summer Wind |
3 | Blue Alert |
4 | Everybody's Talkin' |
5 | River [feat. k.d. lang] |
6 | A Little Bit |
7 | Once In A While |
8 | (Looking For) The Heart Of Saturday Night |
9 | Half The Perfect World |
10 | La Javanaise |
11 | California Rain |
12 | Smile |
夏に聴きたくなるアルバム。ヴォーカルのマデリン・ペルーの魅力が凝縮されています。彼女の魅力のひとつは幅広いジャンル曲を歌いこなすこと。『The Summer Wind』の曲といえば、最初に巨匠フランク・シナトラの名前が思い浮かびますが、マデリンの『The Summer Wind』も巨匠とはひと味もふた味も違う感性に触れることができます。ほのぼのとした牧歌的な彼女の歌声がじんわりとココロに染み渡ってくるようで、落ち着いたゆったり感のある曲調の音楽を聴きたい人にぜひおすすめです。
2006年にリリースされたアルバム『Half The Perfect World』に「The Summer Wind」は収録され、ソングライターとしても才能を認められた作品です。
彼女の略歴を少し紹介すると、アメリカ生まれのフランス育ちで、カリフォルニアやニューヨークなど転々としていましたが、13歳のときに両親が離婚。それを機にフランス人の母親とパリへ移住しました。その後、ストリートミュージシャンとバスキングを始め、ヨーロッパ各地を廻りました。18歳のときに、アトランティックレコードのイヴ・ボーヴェと出会い、4年後の1996年にデビューします。
イブもマデリンの始めの印象を次のように回想しています。「見た目は実年齢より10歳ほど上。歌を聴いたら50歳上のようにも思えたよ」。
渋い音楽スタイルのマデリンと巨匠シナトラ。聴き比べしてみるのも楽しいかもしれません。真夏の暑さを和らげてくれるそよ風のように、清涼感のある少しスモーキーな彼女の歌声に癒されましょう。
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第1位 Stan Getz in Stockholm
⊛夏に聴きたいおススメ曲:1.インディアナ(Indiana)
◆ Song Title ◆ | |
1 | ★Indiana |
2 | Without A Song |
3 | I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You |
4 | I Can't Believe That You're In Love With Me |
5 | Everything Happens To Me |
6 | Over The Rainbow |
7 | Over The Rainbow |
8 | Get Happy |
9 | Jeepers Creepers |
天才ジャズ・サックス奏者と言われるスタン・ゲッツ。1955年にスウェーデンのストックホルムで、現地のピアノ・トリオと繰り広げたワン・ホーン・セッションの傑作盤です。 スカンジナビア航空(Scandinavian Airlines System, SAS)機のタラップの中央で右手を挙げるスタン・ゲッツが印象的なジャケット。敢えて冒険しないリラックスした演奏はクールでありながら豊潤、とくにバラード演奏はおすすめです。
ゲッツの強みは、リラックスした雰囲気の中で演奏するときに発揮され、正統派でありながら穏やかで優しい音色が心を和ましてくれます。おすすめ曲に 「Indiana」を挙げましたが、どの曲もゲッツの閃きが詰まった素晴らしい演奏で、涼しげな夏の時間を過ごすときにはぴったりの名盤だと思います。
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まとめ
夏に聴きたいジャズの名曲いかがでしたか? 自粛中でも有意義に夏を過ごすためにぜひお試しくださいね。お気に入りがひとつでも見つかったら嬉しいです。
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🔶Author:あみ(Ami)🔶
メディアプロデューサー/英語講師/日本語講師。
日本の私立短大家政科卒。証券会社に就職後、渡米。大学でテレビ、ラジオ、及び映画制作を学ぶ。卒業後、日本のテレビ・ラジオ・出版などマスメディアの仕事に従事。趣味は文化・伝統芸能・ヨガ・バレエ・料理。近年は心理学・歴史・神社仏閣の造詣を深める。2019年、神社検定弐級合格。