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【期間限定】菊之助主演『義経千本桜』ネットで無料公開! 

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3月に国立劇場で上演予定だった尾上菊之助出演の『通し狂言・義経千本桜』。今月6日から松竹のユーチューブチャンネルで無料公開されています。物語はA・B・Cと3つのプログラムに分けて上演され、日刊スポーツによると、公開から9日正午までに、すでに再生回数10万回を突破したそうです。

この舞台は新型コロナウイルスの影響で、全公演が中止になりました。今回の舞台は無観客の劇場で収録され、ネットで鑑賞できるように配慮されています。昨夜(9日)に私もAプロを拝見しましたが、テレビ画面でも楽しめるように、観やすく編集されていたので超おススメです。この機会にぜひ古典を楽しんでみてはいかがでしょうか? 今回は、これから観る方のために、『通し狂言・義経千本桜』 の情報(Aプロのみ)をまとめてご紹介します。

『義経千本桜』尾上菊之助が演じる主人公3役!

今回の公演では、尾上菊之助が 主人公(佐藤忠信/源九郎狐、平知盛、いがみの権太)の3役を完演する予定でした。海老蔵以来ということで2月の取材会では、「3役演じるのは夢でした。これからの10年につながっていく1日1日だと思っている」とおっしゃっていました。ご本人のお気持ちを考えると、今回の公演中止は本当に残念ですね。

菊之助さんはネット無料配信について国立劇場公式サイトで、「 公演中止期間中、中村時蔵のお兄様、中村鴈治郎のお兄様はじめ、出演者一同、スタッフ一同は上演に望みをつなぎ、稽古に励んで参りました。そして、その舞台の映像を収録することとなりました。お客様が全くいらっしゃらない客席を前に、しかし、カメラの向こうにお客様がいらっしゃることを思い描きながら、精一杯演じましたので、インターネットでお楽しみいただけましたら幸いです。再びこの三役を演じる機会をいただき、お客様の前で上演したいと念願しております 」とのコメントを発表しています。

物語は3つのプログラムで構成

  • Aプログラム 二段目「鳥居前・渡海屋・大物浦」
  • Bプログラム 三段目「椎の木・小金吾討死・鮓屋」
  • Cプログラム 四段目「道行初音旅・河連法眼館」

それぞれ30日午後3時まで無料公開される予定。

配役

  • 源義経 中村 鴈治郎
  • 武蔵坊弁慶/逸見藤太 坂東 亀蔵
  • 銀平女房お柳実ハ典侍の局/弥助実ハ三位中将維盛/静御前(河連法眼館)中村 梅枝
  • 主馬小金吾/駿河次郎(河連法眼館)中村 萬太郎
  • 片岡八郎 市村 竹松
  • 静御前(鳥居前)/弥左衛門娘お里 中村 米吉
  • 梶原の臣 市村 光
  • 銀平娘お安実ハ安徳帝 尾上 丑之助
  • 庄屋作兵衛 中村 寿治郎
  • 相模五郎/弥左衛門女房おくら 市村橘太郎
  • 若葉の内侍 上村 吉弥
  • 梶原平三景時/河連法眼 河原崎 権十郎
  • 法眼妻飛鳥 市村 萬次郎
  • 鮓屋弥左衛門 市川 團藏
  • 静御前(道行)中村 時蔵

Aプログラム・二段目「鳥居前・渡海屋・大物浦」あらすじ

源平の合戦で全滅の平家軍。死んだはずの平家の武将たちがもし生きていたとしたら…。こうした仮説で始まるフィクションドラマがそれぞれドラマティックに展開していきます。

二段目「鳥居前」

出典:Wikipedia

「鳥居前」では、源義経(みなもとのよしつね)の家臣・佐藤忠信に化けた源九郎狐が、静御前(しずかごぜん)を捕らえようとする鎌倉方と華麗な立廻りを繰り広げます。荒事の豪快な演技を見せた後、「狐六方(きつねろっぽう)」で花道を引っ込みます。

伏見稲荷の鳥居前、義経の一行に追いついた静御前が、同行したいと頼みます。義経は、 静御前に後白河法皇から賜った初音(はつね)の鼓(つづみ) を形見に与え、都で待つように促します。しかし、 静御前は諦めきれずにいると、義経は 静御前を木に縛り付け、一行とともに出発してしまいます。

そこへ義経を討つために逸見藤太(はやみとうだ)が現れ、 静御前を見つけて連れ去ろうとします。ここで義経の家臣・佐藤忠信に化けた源九郎狐が駆け付け、静御前を助けます。 ここでの源九郎狐の立廻りが見どころです。

二段目「渡海屋」

出典:Wikipedia

「渡海屋」の前半、船問屋の主人・銀平(ぎんぺい)に変装した知盛は、颯爽とした男気溢れる性格を漂わせます。対照的に、自らの正体を顕す後半は、重厚で風格のある白糸縅(しらいとおどし)の鎧姿で登場します。

一度都を離れることを決意した義経は、 船宿渡海屋の銀平(ぎんぺい)を頼り、九州へ逃れるために出船を待っています。じつは、銀平は壇ノ浦の戦いで死んだはずの平知盛(とももり)。しかも海中に沈んだはずの安徳天皇もその娘お安として生きていました。女房のお柳(りゅう)は乳母の典侍局(すけのつぼね)。義経の一行を出航させた後、知盛はあえて白装束に身を包み、幽霊に変装して宿敵義経に仇討ちをしようとします。

前半は男気ある颯爽とした銀平、一方、後半はどっしりとした風格の 白糸縅(しらいとおどし)の兜姿の知盛。この対比が見どころのひとつです。

二段目「大物浦」

安徳帝(あんとくてい)を守護しながら、知盛を待つ典侍局。そこへ知盛の正体をすでに見破っていた義経は、 安徳帝と典侍局たち平家の一行を確保します。血まみれになりながら帝を案じて大物浦へ戻ってくる知盛ですが、 義経が安徳帝と典侍局を連れてきます。

義経の主従に身を委ねる帝は、もはや平家復活の象徴ではないことを目前とし、愕然とします。帝の身を守るという義経の言葉に安堵した典侍局は自害。知盛は、瀕死の体に碇綱を巻き付けて、義経に再度戦いを挑んだ自分は平家の怨霊のまぼろしだと言って、絶望の海に身を投じます。

深手を追いながら無念を晴らそうとする知盛の気迫ある演技が見どころです。体に巻き付けた大綱と大碇持ち上げて海へ身を投じる最期も圧巻です。

まとめ

今回の舞台でもっとも見どころな点は、襲名後初めて出演する予定だった菊之助さんのご子息、丑之助の出演。銀平の娘・お安と安徳帝を演じ、親子共演をしています。私が観たのはAプロのみですが、BとCも順に観てみようと思います。歌舞伎関係者、出演者の皆さんのお計らいに心から感謝しております。今回の舞台は30日午後3時までの無料公開ですので、お見逃しのないように。最後に、1日も早い新型コロナウイルスの終息と実際に劇場で歌舞伎を楽しめる日が来るよう心から祈っております。

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