梅雨の時期に体調不良を訴える人が増加しているそうです。私自身も不調を感じて先日、整体へ行ったばかり。
その原因はやはり低気圧が大きく影響していました。それを昔から医学界では天候によって引き起こされる「気象病」と言うそうです。
どうしてこの時期に症状が出るのでしょうか?またその予防と対策についてもご紹介します。
梅雨の体調不良はこれが原因?!
1.梅雨は不調が出やすい?
今年も梅雨入りし、ムシムシした日が続きます。昨年は6月下旬に梅雨明けしたにもかかわらず、今年は例年に比べて低温続き。温暖化と騒がれているのに何故でしょう。
近年の局地的なゲリラ豪雨など、極端な気象現象の増加に気象庁も予報を出すのに四苦八苦しているようです。年々激しく変化する気象の影響で、体調不良を起こす患者が増加しているというデータが出ています。
先日発表された大手気象予報会社「ウェザーニューズ」のアンケートには、梅雨になると「不調が出やすい」と答えた人は以下の通りです。
- 男性36%
- 女性54%
つまり、男性は3人に1人、そして女性は2人に1人が何らかの自覚症状を感じていることが分かりました。
2.気象病とは?
気圧医学の第一人者である佐藤純先生によると、気象病とは、気圧、気温、湿度などの影響を受けて悪化する病気のことをいい、慢性痛、めまい、心臓病、脳卒中、認知症、喘息、花粉症、歯周病などが報告されています。
近年では地球温暖化の影響などで天候の変化が激しくなり、局地的な大雨も増加し、極端な気象現象が目立つようになりました。その気象の変化に伴い、気象病を訴える患者さんの外来が年々増加しているそうです。
佐藤先生は日本で初めて天気痛外来を開設しておられます。昨今、気象病で悩む人は国内で約1000万人に達していると推定されています。
3.気象病の主な原因は気圧の変化
気象病の主な原因は、「気圧の変化」であることはお伝えしました。天気と体調との深い関係は昔から分かっていましたが、「気象病」が一般に認知されるようになったのは近年のことです。
気圧の変化が急なほど症状が重くなり、一般に不調を訴えるのは気圧が低下したときですが、気圧が上昇したときにも体調不良の原因になっている人もいます。
私の場合も梅雨時期は体調管理が難しく、いろいろ試してきました。とくに季節の変わり目は頭痛や肩こりの症状が辛く、酷いときは整体に行くようにしています。
人間の体は気圧が変化するとストレスを感じるのだそうです。それに抵抗しようとして自律神経が活性化されます。皆さんもご存知のように自律神経系には、交感神経と副交感神経がありますが、交感神経は血管を収縮させ、心拍数を上げて体を興奮させる働きがあります。
一方、副交感神経は血管を広げて体をリラックスさせる働きがあります。この交感神経と副交感神経の調整がうまくいかないと、さまざまな体調不良を引き起こしてしまうのです。
施術してくれた整体師さんも、「この時期は体調を崩して来られる方が結構いますよ」とおっしゃってました。
4.症状が出やすい季節
気象病の症状が出やすい季節は、低気圧が通過する春や秋、梅雨期、そして晩夏から秋にかけてだそうです。また台風や雪が降るような天候の時も症状を訴える人がいます。どうやら上空にある寒気も関係することがあるようです。
5.「私って気象病?」セルフチェックしてみよう!
ここで自分が気象病であるかどうか、または、その可能性について下記のリストである程度判断することができるようなので、是非ご利用ください。
- 天気の変化に敏感である。
- もうすぐ雨が降るのが体調の変化によって察知できる。
- 雨が降る前に眠気を催したり、めまいがしたりすることがある。
- 雨が降る前に頭痛がすることがある。
- 天気がいいときには気分がよくなり、悪いときには気分が沈む。
- どちらかといえば乗り物酔いをしやすい。
- 骨折などの大ケガをした箇所が時折痛むことがある。
- 過去に交通事故などで首を痛めたことがある。
- 初春、梅雨、初秋など、季節の変わり目で体調を崩しやすい。
- 台風のニュースが気にかかる。
- デスクワーク中心の仕事をしており、姿勢が前かがみになりがちである。
- 片頭痛持ち。
- 耳鳴りがしやすい。飛行機や新幹線で耳が痛くなりやすい。
- 几帳面な性格。
- ストレスがたまりやすいほうだ。ストレスの多い生活を送っている。
出典: 佐藤 純著『頭痛 めまい 関節痛 なんだか調子が悪いのは「天気痛」かもしれません』株式会社PHP研究所
該当する項目が10個以上あると、気象病の可能性が高くなります。また、気象病についてもっと詳しく知りたい方は佐藤先生のこちらの本もおすすめです。
佐藤純・「天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!」
6.予防と対策
食事はバランスよく摂りましょう。ただ食欲がないときには無理をせず、胃腸の調子に合わせて食べ物を選んであげるのが良いかもしれません。私はよく疲れると胃腸にくるので、そんなときは消化のいい全粒粉パンとスープを少し食べて、胃腸の様子をみるようにしています。
また栄養面では、カリウムを含む食品を積極的に食べると良いようです。私が心がけているのは、それに加えてビタミンB群(豚肉、納豆、バナナ、卵、にんにく、海藻、玄米など)が含まれる食品を食事に取り入れ、体を温めるショウガなども料理によく使うようにします。
運動すると自律神経のバランスを整える伝達物質が分泌されることから、適度に体を動かしてみましょう。佐藤先生のご著書にもありますが、ウォーキングやサイクリング、水泳などの有酸素運動は効果的だそうです。
こまめに動く、姿勢を気にしてみる、また階段を利用するなど日常生活でできることを増やしていくのも大切ですね。その他に、個人的には隙間時間に簡単なヨガやきくち体操を取り入れることをお勧めします。
やはり入浴は大切ですね。体調を整えるのにあらゆる書籍や情報番組でも紹介されますが、38~40℃のお湯に10~20分間入浴すると効果的だとあります。副交感神経が働いて、自律神経のバランスが整うからですね。個人的には足湯もおすすめです。
睡眠もしっかりとりたいですね。就寝前に心身をリラックスさせるためにPCやスマホは見ないようにしましょう。眠りを誘うのに、目元首元を蒸しタオルなどで温めたり、アロマオイルを数滴ディフューザーなどにたらすとリラックスして効果抜群です。ディフューザーがなくても大丈夫。
私はラベンダーとオレンジを2滴ずつ化粧パフにたらし、それを小皿に入れて枕元に一番近いところに置いて寝ます。また、寝られなくても、横になっているだけで疲れが取れるので、慌てずに好きな音楽やトークを聴きながらリラックスしてみましょう。キンドルだと書籍の読み上げ機能があるので、眠れないときに利用するのもおすすめです。
マッサージも効果的です。私のように整体などに行くのも良いですが、自宅で簡単にできる耳マッサージも良いそうです。気象病は内耳の血流が悪くなって、気圧のセンサーや自律神経に影響するので、佐藤先生はくるくるマッサージを推奨しています。
くるくるマッサージ
- 親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横に、それぞれ5秒ずつ引っぱる。
- 耳を軽く横に引っぱりながら、後ろ方向に5回、ゆっくりと回す。
- 耳を包むように折り曲げて、5秒間キープする。
- 手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと回す。これを5回行う。
まとめ
毎年、同じような症状に悩まされていた人も気象病という気圧、気温、湿度によって体調不良が起こることが分かり安心されたのではないでしょうか。私もそのひとり。梅雨の時期はさまざまな体調不良が起こりやすい季節だということが分かれば自分に合った予防と対策を見つけることができると思います。
「頭痛ーる」というアプリを先日から使っているのですが、気圧の変化が分かり、気圧の変化に応じて大事な予定を調整したりしています。大幅な気圧の変化があるときには、注意のメッセージも表示されてとても便利です。自分の体調や頭痛薬を飲んだ記録も付けられ、体調管理に一役買ってくれそうです。