学生時代に英語を学んできたはずなのに、ほとんど英語を話せるようになりません。何のための授業だったのでしょうか。そんな疑問を抱えながら、やがて大人になり、
「キャリアアップや人脈作りで、コミュニケーションをとるために英語を再び学びたい!」
そう考えていませんか。でも、どうやって勉強すればいいのでしょうか?
学生時代の二の舞を演じないようにするために、今回は大人になってから学ぶ効率的な英語学習について3つご紹介します。これで確実な学習方法が理解できます。
英語の上達に効果的な3つの方法
英語教育関係の宣伝に、「効率よく最短で英語を学べます!」といった感じの文句をよく見かけますね。でも、本当は…
🔷短期間で英語力を上げることは✖
上手い言葉に乗せられないように気をつけましょう。私も昔、英語がペラペラ話せるのを夢見て、ずい分と広告に踊らされた方なので(笑💦)、自分に合った語学学校や教材を探すのはけっこう大変です。
「英語力を伸ばしたいのに、結果のでない英語学習にお金も時間も使いたくない」
そう思う方も多いかもしれません。そうならないために、一度どのように英語学習をしてきたのか、見直す必要があります。
Q. どうやって英語を勉強してきたのか?
☑ 英会話スクールに通っても、話せるようにならなかった。
☑ おすすめの教材を買ったけど、続かなかった。
☑ 何回も挫折した。
🔷一番重要なことは、今の自分のレベルに合った学習法を見つけ、実践することです。
地道な学習を続けていく中で、ある時、急に英語の番組が分かるようになったりすることはあります。
英語を習得するためには、インプット、つまり、英語学習にたくさんの時間を要しますし、そして、実際に話せるようになるまで、アウトプットにさらに時間が必要になります。
ざっくり簡単に説明すると、
🔷インプット:英語学習(単語、熟語、文法などの知識を入れる)
🔷アウトプット:実践(学習した知識を使って、日常で英語を話したり、書いたり、聞いたりする)
ということになります。英語をひとつの技術と考えてみると、分かりやすいと思います。適切な学習と練習を繰り返すことで、英語がだんだんと使いこなせるようになります。
効率よく英語を学習するには?
短期間で英語を身につけられないことは分かっても、逆に遠回りばかりで全く英語が上達しないのはなぜでしょうか。そんな悩みに多いのは、テキストを中心に勉強を続けているケースです。
問題をこなすことが大切な数学などと違い、英語は言語なので、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングのそれぞれに適した方法で技術を磨いていく必要があります。
🔷効率よく≠短期間
ここでの英語学習において『効率がいい』とは、自分に合った学習法を採用して、インプットとアウトプットを繰り返すこと。それは決して短期間で英語力を磨くということではありません。
英語学習において問題点のひとつは、
🔷語学能力が実際に身についているのか、実感が湧かないことがあること
だと思います。このまま続けていいのか、ときどき不安になりますよね。私も以前はそうでした。実感できないから、ネットの情報や教材に惑わされやすくなる傾向があります。
学習経験は人によって違うので、やり方は千差万別。そこで、自分なりの学習法を見つけることが先決です。まずは、今までの学習法を見直してみましょう。
4つの柱
英語の基礎を身につけ、土台をしっかり固めるには、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの4つを自己評価してみましょう。たとえば、5段階評価でやってみます。ここでの5段階評価とは、
- Excellent
- Very Good
- Good
- Average
- Poor
1から「大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い」の順です。
※あくまでも対策のための指標ですので、厳しく自己採点する必要は全くありません。
(例)5段階評価/今後の英語学習プラン
①リーディング(読む) :2(Average)
今後の対策/NHK基礎英語を毎日15分読む
目標/Good
②リスニング(聞く):3(Good)
今後の対策/CNNやFOXチャンネルを聞く
目標/Very Good
③ライティング(書く):3(Good)
今後の対策/「英語日記ドリル」を始める
目標/Very Good
④スピーキング(話す):2(Average)
今後の対策/「いきなり英語スピーキング」の本とNHKのシャドーイング
目標/Good
🔸◇🔸
このような感じで自分なりの評価をして、3か月、半年、または1年単位で再評価して、現状を見極めた上で次の目標を決めていくと効果的です。英語学習をはじめる前に、どこを強化したいのか、どうなりたいのか、ぜひ自分なりのプランを立ててみてください。
最初に取り組むべきことは?
🔷基礎文法の理解
🔷単語の増強/熟語の増強
単語が不足すると話すことが難しくなります。また、次のステップの文法学習も効率的ではありません。
よく英語関連のサイトでよく薦めているのは、
🔷中学英語をもう一度しっかり学習
ことです。私自身もアメリカに10年ほど住んでいましたが、英語が行き詰まるたびに文法を復習しました。今は子供たちに英語を教えていますので、違う角度で分かりやすくどう説明したらいいのか、今でもときおり文法を確認します。
🔷最初にとりかかるのは、基本5文型と品詞の2つ(名詞・形容詞)から
それでは、基本5文型について解説します。
基本5文型とは?
英文は、主語、動詞、目的語、補語、修飾語(句)などが集まって構成されています。これらの要素が規則に沿って配列したものを文型と呼びます。
第1文型<S+V>
第2文型<S+V+C>
第3文型<S+V+O>
第4文型<S+V+O+O>
第5文型<S+V+O+C>
※5文型を構成する要素
S:Subject(主語)
V:Verb(動詞)
M:Modifier(修飾語)
O:Object(目的語)
C:Complement(補語)
基本5文型
第1文型:S(主語)+ V(動詞)型
主語がどのような動作、または状態であるのか、動詞の動きを表す文型。第1文型のVは、一語のみで完結する動詞です。
ex. She smiles. (彼女は微笑む)
しかも自動詞だけを使い、目的語を必要としません。第1文型に使われる自動詞は次のようなものがあります。
walk(歩く)、 go(行く)、 come(来る)、 swim(泳ぐ)、 live(住む)、 stay(滞在する)
第1文型だからといって、2語だけだとは限りません。動詞のあとに前置詞+名詞がきていることもあります。
ex. I go to school. (私は学校へ行く)
S(主語) V(動詞)M(修飾語)もまた、第1文型となります。
「I go」だけでは言葉が不十分。それを補ってくれる「to school」は、行き先の情報を補足する修飾語となります。
第2文型:S(主語)+ V(動詞)+C(補語)型
主語の状態や属性がどうであるのか、動詞と形容詞(補語)が説明する文型。S(主語)= C(補語)であることを説明しています。
ex. He is a student. (彼は学生です)
S(He)= C(student)であり、「is」は「=」の役割をしています。例文のように、be動詞(am,are,is,be)が使われた分は間違いなく第2文型と言えます。
ex. She is happy. (彼女は幸せです)
また、Vの後に形容詞や名詞がくることもあります。S(She)= C(happy)という関係が成り立つので第2文型と判断できます。
第2文型でよく使う動詞は、be動詞の他に、
seem(~に見える)、become(~になる)、look(~のように見える)、 keep(~のままである)、 get(~になる)、 taste(~の味がする) 、sound(~のように聞こえる)、make(~にある)、smell(~の匂いがする)
などがあります。これらの動詞も、「S= C」の「=」の役割をします。
第3文型:S(主語)+ V(動詞)+O(目的語)型
主語の動作や動きを、動詞と名詞(目的語)が説明する文型。「S(主語)がOを(に)Vする」という意味になります。第3文型のVには他動詞しか入りません。
主語との関係が第2文型の場合、「S(主語)= C(補語)」に対して、第3文型はS(主語)≠ O(目的語)です。
ex. He bought a magazine. (彼は雑誌を買った)
S(He)≠ O(magazine)という関係から第3文型と判断ができます。
ちなみに、自動詞と他動詞の違いを簡単に説明しますと、
自動詞は、「を」「に」が含まれず、Oがいらない動詞
他動詞は、「を」「に」が含まれ、Oがいる動詞
です。英語では他動詞が圧倒的に多いのが特徴です。
第4文型:S(主語)+ V(動詞)+IO(目的語1)+DO(目的語2)型
2つの目的語「だれに」「なにを」によって主語の動作や行動を説明する文型。第4文型は目的語を2つ取ります。
最初の目的語は、間接目的語(Indirect Object)で、「だれに」の意味で、
後の目的語は、直接目的語(Direct Object)で、「なにを」の意味になります。
第4文型でよく使う動詞は、
buy(買う)、give(与える)、 tell(伝える)、 teach(教える)、 order(注文する)、cook(料理する)
などがあります。
ex. She taught me English. (彼女は英語を私に教えた)
目的語(O)は、IO(me)≠DO(English)という関係から第4文型と判断ができます。
第5文型:S(主語)+ V(動詞)+O(目的語)+C(補語)型
第5文型:主語の影響下で、目的語がどんな状態であるのか、または、どんな属性であるのかを説明する文型。「SはOをCするのを~する」、または、「SはOをCだと~する」という意味になります。第5文型のVは、目的語をとるので他動詞です。
動詞の後に続くO(目的語)C(補語)は、「O=C」という関係から第5文型と判断ができます。また、動詞は他動詞で、補語として名詞や形容詞をとります。
ex. He keeps his room clean. (彼は部屋をきれいに保つ)
動詞の「keeps」後ろに、「his room=clean」であるので、第5文型だと分かります。
ex. She calls me Amy. (彼女は私をエイミーと呼ぶ)
動詞の「calls」後ろに、「me=Amy」であるので、第5文型だと判断できます。
まとめ
学生時代、英語が苦手だった人も、文法から少しずつ5分でも10分でも学習する時間を設けて挑戦してみてください。好きな洋画や洋楽に触れると、もっと英語ができるようになりたくなるかもしれません。モチベーションが持続するための工夫も大切ですね。
次回は大人が基本の英語力を身につけるためのハウツーをご紹介します。お楽しみに…。
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🔶Author:あみ(Ami)🔶
メディアプロデューサー/英語講師
日本の私立短期大家政科卒。証券会社に就職後、渡米。大学でテレビ、ラジオ、及び映画制作を学ぶ。卒業後、日本のテレビ・ラジオ・出版などマスメディアの仕事に従事。趣味は文化・伝統芸能・ヨガ・料理。近年は心理学・歴史・神社仏閣の造詣を深める。2019年、神社検定弐級合格。