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【夏越の大祓】半年の厄を払う茅の輪くぐりとお菓子『水無月』

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今年もあと半年。6月になると神社の境内には大きな茅の輪が作られます。6月末日は『夏越の祓』。半年の穢れを払い、厄払いと無病息災の願いを込めて茅の輪をくぐります。

2020年は、私たちは制限された生活を余儀なくされて、報道でも、将来に不安を感じる人が増えていると伝えています。

「皆も大変なのは分かってはいるけど、思わずため息がでちゃう…」

そこで今回は、何とか皆さんが苦難を乗り越えていけるように、半年の厄を払う夏越の大祓と、その神事にまつわる和菓子についてご紹介します。

【夏越の大祓】茅の輪くぐりとお菓子『水無月』

🔽2024年 賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)の茅の輪くぐり

🔹6月に初の下鴨神社で参拝!おっと茅の輪が設置されているではないかっ!
🔹下鴨神社でも茅の輪くぐり!御朱印もGet!

🔽2020年 東京大神宮の茅の輪くぐり

🔹先日、東京大神宮で茅の輪くぐり(^^♪
御朱印も頂きました!

1.夏越の祓とは? 

コロナ禍を考慮して、早くも5月ごろから皆さんの安全を祈願し、茅の輪を設置している神社もありました。私も東京大神宮で早めの茅の輪くぐりをしてきました。茅の輪くぐりは厄除け、無病息災の神事。境内には多くの参拝者が訪れていました。

🔽合わせて読みたい!夏越の祓についての作法や由来についてはこちらをどうぞ。

2.夏越の祓:基礎知識

  • 毎年6月末日を中心に、神社で行われる祓の行事。
  • 6月を夏越の祓、12月を年越の祓といい、茅の輪をくぐって半年の厄払いをすることで、残りの半年の無病息災を願う。
  • 和菓子の「水無月」を食べ、暑気払い。
  • 茅の輪くぐりは須佐之男命が由来。

3.夏越の祓に欠かせないお菓子「水無月」

🔹京都発祥の水無月

先程、夏越の祓では和菓子、水無月を頂くことをご紹介しました。三角形のういろうの上に小豆をのせたもので、暑気払いの氷を意味していると言います。

また、小豆の色が邪気を払うとされました。京都では昔から厄除けに水無月を食べる風習があったそうです。現在では東にも広がり、夏越祓の日のお菓子として東京でも売られるようになりました。

近年では、通常の白のういろうの他に、抹茶や黒糖などいろんな種類の水無月があります。小豆には魔滅、魔除けの意味が込められ、昔から厄除け魔除けの儀式や節句に使われてきました。

水無月は昔、丸いものなど様々な形をしていましたが、大正時代以降になって三角形の形が定番になりました。

🔹虎屋

△の形は氷室の氷の結晶を表し、小豆=豆は魔滅、魔除けの意。

4.茅の輪くぐりのできる東京の神社

※今年の夏越の大祓式は、新型コロナウィルス感染拡大防止のために神職のみでご奉仕される神社がほとんどで、残念ながら当日の一般の参列はできません。

茅の輪くぐりができる神社は結構ありますので、事前にHPなどで確認してから行かれることをおすすめします。

大祓の神事は、茅の輪だけでなく人形流しもあります。陰陽道由来の儀式で、人の形の紙に自分の名前と生年月日を書き、身体を撫でて息を吹きかけることで穢れを人形に移します。その人形は身代りとなってお焚き上げや川に流すことで厄を払うという風習です。

茅の輪くぐり

① 神田明神

1300年の歴史を持つ、江戸の総鎮守の神田明神。ご祭神は大己貴(おおむなち)命、少彦名命、平将門命。

② 東京大神宮

東京のお伊勢さんと呼ばれる東京大神宮。縁結びの神様としても人気。ご祭神は伊勢神宮と同じ天照大神と豊受大神。

🔷東京大神宮・拝殿
🔹東京大神宮・七夕が近いので境内には祈願祭のカラフルな短冊が置かれていました。
🔷東京大神宮・七夕のお守り

③ 芝大神宮

大都会の中にある芝大神宮。東京タワーに近く、縁結びや商売繁盛で人気。こちらの大祓は、茅の輪くぐりと形代(人形と同じ)の両方。

出典:芝大神宮
2021年の茅の輪
出典:芝大神宮 2020年の茅の輪

④ 烏森神社

新橋駅から徒歩5分の烏森神社は小さな神社。境内に設置された茅の輪は、例年より長く7月2週目ごろまで。

人形流し

明治神宮

今年の一般参列はできません。ここでは茅の輪はなく、人形流しのみ。

5.水無月食べてみました!

東京の某デパートにある虎屋さんには、残念ながら水無月が置いてなかったので、「仙太郎」さんのものを買って試食しました。

正直、あまりういろうは得意ではないのですが、仙太郎の水無月は食べても飽きのこない上品な甘さで、モチっとした食感はちょっとクセになりました。

🔹仙太郎の水無月/左:黒糖、中央:抹茶

水無月は書いて字の通り、水が無い月。旧暦の6月は、まさに夏の暑い盛りでした。 『和菓子歳時記』によると、冬にできた氷を掘って切り出し、天然の氷室に保存しておいたものを夏の時期に宮中へ運び、健康のために氷のかけらを食べていたといいます。

当時の氷の価値は相当なもので、庶民が口にできるものではなく、むしろ見たことがなかったくらい貴重だったそうです。そのような時代背景があり、生まれたのが水無月なのです。ういろうを氷の結晶に見立てた和菓子。健康のために食べていた氷に似せた△に魔除けの意味を込めて小豆をその上に散らし、夏越の大祓の日に食べる習慣になったのも頷けますね。

まとめ

半年の厄を払う茅の輪くぐりとお菓子『水無月』はいかがでしたか。東京では茅の輪くぐりできる神社は沢山ありますので、HPで確認してから足を運んでみてくださいね。

半年間の穢れとコロナをお祓いして、残りの半年の無病息災を願いましょう。

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🔶Author:あみ(Ami)🔶
メディアプロデューサー/英語講師/日本語講師。
日本の私立短大家政科卒。証券会社に就職後、渡米。大学でテレビ、ラジオ、及び映画制作を学ぶ。卒業後、日本のテレビ・ラジオ・出版などマスメディアの仕事に従事。趣味は文化・伝統芸能・ヨガ・バレエ・料理。近年は心理学・歴史・神社仏閣の造詣を深める。2019年、神社検定弐級合格。

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