安房神社を後にして、鶴谷八幡宮(つるがやはちまんぐう)へ行ってきました。 鶴谷八幡宮は館山駅から1㎞ほど北に鎮座しています。 毎年9月敬老の日の前の土日に安房国司祭「やわたんまち(八幡祭)」が行われ、房州最大のお祭りとして賑わいます。なんとこの祭り、千年以上の歴史があり、千葉県無形民俗文化財にも指定されています。 目次 房総半島・館山 鶴谷八幡宮 鶴谷八幡宮の鳥居前 今年は台風15号の影響で、 元八幡神社清水奉戴祭、六所祭および安房国司祭・例祭など、鶴谷八幡宮内での祭典のみとなり、お神輿・山車・お船の八幡宮への宮入りが取り止めになりました。記録上初めての中止だそうです。それでも、境内では出店が一部やっていました。その様子と併せて鶴谷八幡宮の見どころをご紹介します。 1.鶴谷八幡宮の由来 鶴谷八幡宮本殿 鶴谷八幡宮は平安時代初期,安房国の総社として、国府の地に創建されました。今でも、その場所(南房総市府中)に元八幡神社がありますが、それが鶴谷八幡宮の発祥の地と伝わっています。 その元八幡神社には神供水の井戸があり、例祭の折には、その井戸の水を汲んで使っていました。ちなみに、つい最近までその井戸は現役で使われていたそうです。 源頼朝が鎌倉幕府を開いた1185年、諸国に守護・地頭を設置したことで、国司の権威が徐々に衰退、総社としての崇敬も薄れていったことから、統治力も失っていきました。一方で、八幡大神を氏神として崇敬していた源氏は、御祭神の中でも八幡大神をより信仰なさり、この頃に総社から八幡宮と改変、場所も現在の地に遷座されたと言われています。 15世紀中ごろから170年にわたり、日本の氏族のひとつ、里見氏が安房国を支配していました。1508年(永正5年)に里見家第3代領主、義通がご社殿を再建してから代々、義豊、義尭、義弘、義頼、義康らも修理奉納していました。徳川幕府も里見氏の後を引き継ぎ、171石の社領を寄進しています。 房総半島南端から館山平野を見渡せる丘陵地に、稲村城跡があります。一度取り壊されそうになりましたが、市民から保護を訴える声が上がり、稲村城跡はついに2012年、国の指定遺跡となったそうです。 また、鶴谷八幡宮は関東の三鶴八幡と呼ばれ、関東地方を代表する八幡神社の1つに数えられます。三鶴には諸説あり、一つ目は鎌倉の鶴岡八幡宮、二つ目は館山の鶴谷八幡宮、三つ目は市原の鶴峯八幡宮だそうです。 2.御祭神 御祭神は親子三神 第15代応神天皇を主祭神として、父の第14代仲哀(ちゅうあい)天皇、母の神功(じんぐう)皇后の親子三神が祀られています。 品陀和気命(ほむだわけのみこと=応神天皇)帯中津彦命(たらしなかつひこのみこと=仲哀天皇)息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと=神功皇后) 神功皇后は、第9代開化天皇の曽孫で、息長宿禰王(おきながのすくねのみこ)の皇女として、幼少より聡明、かつ容姿端麗であったと日本書紀に伝えられています。 日本武尊の皇子である仲哀天皇は、大和朝廷に長い間抵抗していた九州中南部に住む種族の征伐の途中(熊襲征伐)、橿日宮で崩御されました。そこで、ご神託により、神功皇后は天皇に代わり、三韓平定に向かわれたといいます。この時、皇后は身籠っておられ、平定後、無事に任務を終えられた皇后は筑紫国に戻られ、応神天皇をご出産されたそうです。 摂末社 若宮八幡神社 御祭神 大雀命(おほさざきのみこと=仁徳天皇) 高良神社 御祭神 武内宿禰命(たけしうちのすくね) 鹿島神社 御祭神 武甕槌命(たけみかづちのみこと) 西宮神社 御祭神 事代主命(ことしろぬしのみこと) 3.見どころ 安房国総社である鶴谷八幡宮は、国道127号に面して大鳥居が聳え、参道沿いには日露戦争ゆかりの記念碑があります。境内の正面に拝殿、本殿左側には若宮八幡神社、そして本殿右側にある御仮屋という祭りの日に御神輿を一時的に納める横長の建物があります。御仮屋の右にある大きな社は、安房神社の遥拝所です。 安房神社遥拝所 社殿 本殿は1721年(享保5年)に造営されました。本殿と拝殿は1923年(大正12年)の関東大震災で倒壊したため、昭和七年(1932年)に再建されました。また、本殿は1967年(昭和42年)館山市指定文化財に。 拝殿の屋根の中央前方に張り出した部分(向拝)には、安房を代表する彫物大工、初代・後藤義光の彫刻があります。 拝殿向拝の天井には、初代後藤義光の52歳の時の作品「百態の龍」があります。江戸の彫物師、後藤豊次郎とその門人との合作で、中央の大きな2龍と55龍とで構成されています。 若宮八幡神社 御祭神は大雀命(おほさざきのみこと)仁徳天皇です。 ご神木 境内の中のご神木 社殿の左前にあるご神木はイヌマキだそうで、樹高16m、幹周約4m、樹齢300年以上と言われています。 水田三喜男は日本の政治家で、戦後に城西大学を創設した地元の名士。1905年(明治38年)千葉県安房郡曽呂村(現在の鴨川市)に生まれ、旧制安房中学校(現在の千葉県立安房高等学校)、旧制水戸高等学校(現在の茨城大学)、京都帝国大学(現在の京都大学)を卒業している。長年にわたり、第65代~第66代、第71代~第72代、第75代の大蔵大臣を務めています。 満71歳没。 4.安房国司祭(やわたんまち)について 今年の御神輿はお休み 房日新聞「やわたんまち」中止に 祭典のみ開催へ 館山 安房国司祭は県指定無形文化財です。今年は台風15号の影響で祭典のみの実施となってしまいましたが、本来は約10万人の賑わいをみせる安房地方最大のお祭りです。 やわたんまち初日 初日は、鶴谷八幡宮に周辺の十社の御神輿が集結し、本殿の右側にある御仮屋に一旦納められます。御仮屋は左から洲宮神社(館山市洲宮)・下立松原神社(南房総市白浜町滝口)・手力雄神社(館山市大井)・山宮神社(館山市東長田)・山荻神社(館山市山荻)・莫越山神社(南房総市沓見)・木幡神社(館山市山本)・高皇産霊神社(館山市高井)・子安神社(館山市湊)、そして安房神社のお神輿は安房神社遥拝所に納まります。 やわたんまち二日目 二日目は、山車、屋台、御舟が境内に集まります。臨場感が溢れて、掛け声が今にも聞こえてきそう。皆さんの法被姿が素敵です。 アクセスは↓鶴谷八幡宮HPでご確認ください。 鶴谷八幡宮(社務所)千葉県館山市八幡76電話番号 0470−22−1258 台風15号の影響で、被害を受けた若宮八幡神社 4.まとめ 鶴谷八幡宮はいかがでしたか? 今年は残念ながら台風15号の被害を受けてお祭りも一部中止になってしまいました。そんな中、多くの子供たちが神社の境内で、元気に走り回っている姿が印象的でした。地元の方々の一日も早い復興を心からお祈り致します。ぜひ、旅行シーズンには南房総へ足を運んでみてくださいね。歴史的にも興味深い地域なので、おすすめです。 🔽合わせて読みたい! おすすめ観光スポット房総半島・館山 安房神社その1 投稿ナビゲーション おすすめ観光スポット房総半島・館山 安房神社その1 大嘗祭(だいじょうさい)とは? 今さら聞けない日本の祭祀