最近、目の疲れ気になりませんか? 実は私もそのひとり。とくに梅雨や季節の変わり目になると頭痛や眼精疲労になりやすくてそれはもう大変! ちまたでも「近ごろ、頭痛や息切れ、体の冷えがひどい」「体がだるくて、気分が落ちる」などの声がよく聞かれます。病院で検査をしても、とくに体に異常はみられないのに、こうした体調不良に悩まされることも。
じつは自律神経のバランスの崩れは、 過度の近視矯正や遠視放置などによる目の疲労の可能性があるというのです。私の場合は遠視の放置が原因でした。どうしてそれは起こるのでしょうか? 梶田眼科の梶田雅義院長のお話とその対策も併せてご紹介したいと思います。
目の疲れ、自律神経のバランスの乱れが原因!?
1.検査しても原因不明な症状
病院で検査をしても原因不明の身体・精神症状で多いもの。下記に表してみました。
- 手足の筋肉がだるい・痛い
- 疲れやすい
- 肩が凝る・頭が痛い・頭が重い
- のぼせる・ほてる
- 手足が冷える・しびれる
- めまいや立ちくらみ・耳鳴り
- 息苦しさや動悸
- 便秘や下痢
- 食欲不振
- 胃の不快感
- 汗をかきやすい・汗が出ない
- 眠りが浅い
- 不安や落ち込み
- すぐにイライラする・集中できない
- 記憶力の低下
- やる気が出ない・ささいなことが気になる
以上の症状は自律神経のバランスが崩れると起きやすい症状と言われますが、「自律神経失調症」という病名で治療される医療機関が少なくないことです。私も場合もそうでした。 処方された精神安定剤(抗不安剤)などを長期にわたり服用しましたが、ほとんど回復することはありませんでした。その後、 セカンドオピニオンを求めて、他の心療内科にも行きましたが同じ答えが返ってきただけでした。
2.目の疲れは自律神経のバランスを崩す
自律神経とは、循環、消化、呼吸、代謝などの生命活動を調節する神経系で、交感神経と副交感神経を制御していますが、片方が強くなりすぎてバランスが崩れると、様々な身体や精神症状が現れます。
「このアンバランスが、自律神経失調症を起こします。しばしば遠視は近視に比べて放置されやすく、更年期障害や精神疾患と誤診されやすい」と梶田院長は述べています。どうしてアンバランスになるのでしょうか。
昔、人間が狩猟生活を送っていたころ、遠くに目を凝らして獲物を狙っていました。そして、家に帰れば家族と一緒に寛ぐ生活。つまり、交感神経と副交感神経のバランスを保った生活スタイルだったと言えます。
ところが現代の私たちは、デスクワークを長時間強いられたり、自宅でもテレビや映画、そして近年はスマホも加わり、近くに焦点を合わすことが多い生活を送っています。
「交感神経と副交感神経のアンバランスが常態化している」と梶田先生は指摘しています。
つまり、現代の私たちは自律神経のバランスが保たれにくい環境下で暮らしているのです。
3.体調不良の原因は、過度の近視の矯正や遠視の放置による可能性
ところが近年、過度の近視矯正や遠視放置が不調の原因であることも眼科学の研究で明らかになってきています。梶田院長の新書「人生が変わるメガネ選び」によると、目についての間違った知識が疲れ目を助長させているというのです。『目が悪い=近視』『目が良い=遠視』という常識は現代社会では正しくないのです。 日常でスマホやPCを使うことが多くなったこの時代。目を酷使していることが、体調不調を引き起こす原因であることは自然かもしれません。何故なら、目は自律神経と直結しているからです。
近視の場合は、遠くを見たいときにメガネが必要になりますが、近くなら裸眼で見ることができます。近距離ではピントを合わせる苦労がない性質の目であると言えます。一方、遠視の場合は、遠くが良く見えるので、「良い目」だと思われていますが、近くを見るときは、遠くを見る以上にピント合わせに力がいると言うのです。昔と違って、スマホやPCが欠かせないこの現代、やはり近視の方が生活に合っているのです。
また、遠視は目が良いと判断して眼鏡やコンタクトレンズを使わないでいることが、のちのち仕事によっては近くを見る作業が長いほど苦労します。私もデスクワークが多い仕事柄、辛い時期がありました。また、自分に合っていない眼鏡やコンタクトレンズを無理に使用することも体調不良の原因になります。
「近視の人が眼鏡店などで「遠くがよく見えるから」と、過矯正の眼鏡やコンタクトレンズを作ってしまう場合だ。「すると近くがぼやけてしまい、無理してピントを合わせようとしていると、副交感神経が強くなって、眠気やけん怠感を招き、仕事への意欲が落ちてしまいます」(梶田院長)
梶田先生のアドバイスは、
「遠視がある場合は早く矯正すること。近視は矯正しすぎないことが肝心。目の自律神経バランスがとれると、全身のバランスも改善してきます」
それに加えて、自律神経のアンバランスを調整するための生活の安定を図ることも大切です。まずは十分な休養をとり、気持ちをリラックスさせる習慣を作っていくことも忘れないようにしたいですね。
4.体調不良が改善されない人は眼科で検査を
私も長年、頭痛、肩こり、胃の不快感、疲れやすいなど体調不良に悩まされてきました。原因が分からない状態が続くと不安になり、血圧も上がります。病院に行くと、自律神経失調症とか成人病などと診断され、処方された薬を飲めども全く改善される気配はありませんでした。
ある日、ドライアイがひどくなり、目の奥の痛みもでてきたことから眼科に行きました。眼科医にメガネを処方してもらってから、そ体調不良は少しずつ改善されていきました。今は仕事も家事もこなし、日常を楽しむことができるようになったのです。
私の場合は遠視であることが原因でした。辛かった過去も、今では自律神経失調症になったおかげで、自身を見つめ直す機会が与えられたと思えるようになりました。当時、できるだけ書籍やネットから情報を集め、食事など生活の見直しやヨガなどの運動、またお灸や整体などを取り入れて治癒に努めてきました。私の場合、決定的に改善したのは、自分の目のクセと現代の生活に見合ったメガネを使うようになってからでした。
梶田眼科・梶田雅義先生/人生が変わるメガネ選び (経営者新書 121)
まとめ
最後に、疲れ目を軽く見ずに、様子がおかしいなと思ったら眼科に行くことをおすすめします。また、今年の夏は低温で、体調を保つのも一苦労。 日常を楽しく有意義に過ごすためには健康が何よりです。それと、頭痛や肩こりがひどくなる前に疲れ目がその症状を引き起こすサインとなり得ますので、自分に合った方法を見つけて効果的にケアしていきましょう。