新年度がスタートする4月。日本全国で新学期が始まる時期でもあります。新しい環境の中で希望と不安が交差する日々。それは子供たちだけでなく、私たち大人の世界でも同じでしょう。とくに新社会人となった若者たちは例外ではなく、どのように厳しい社会を生きていけばいいのか悩んでいる人も少なくないと思います。夢や希望を実現するためにどうしたらいいのか…。その答えを見つけるサポートをこの一冊、「夢をかなえるゾウ」はしてくれるかもしれません。社会での人間関係の構築や自己改革などが分かりやすく書かれています。2008年にベストセラーとなってからドラマ化されるなど話題の多い本です。
ゾウの姿をしたインドの神様・ガネーシャがどうしようもないサラリーマンの前に現れて、次々と課題を出して実践させていくお話。そのガネーシャは変な大阪弁を話し、「おい、起きろや」といった調子で、強烈なインパクトを与えてきます。ガネーシャの話す内容は世界的に有名な成功者たちの教えばかり。どれも実に簡単なことなのですが、にもかかわらずなかなか続かないわけです。教えのすべてが実践できれば成功者となれそうなのですが、実行に移して継続させていくことが本当に難しい。継続どころか実行もできないとダメ人間のレッテルを張られてしまう…。これがまさに人としていちばん辛い状況ですよね。その葛藤をサラリーマンが体験し、変な神様のガネーシャが面白おかしく、またときにマジメにリードしていくのがこの本の真骨頂です。
さて、大阪弁のガネーシャがサラリーマンに出した課題気になりますよね。一部ですが下記に紹介します。
1.“人が喜ぶ”ことをする
人が喜ぶことをするとまわりも応援してくれるようになる。また、お金は人を幸せにして喜ばせた分だけもらえるもの。
・募金や寄付をする(ジョン・ロックフェラー)
・身近にいる一番大事な人を喜ばせる(コカ・コーラCEOのロベルト・ゴイズエタ)
・誰か一人のいいところを見つけてホメる(アンドリュー・カーネギー)
2.“自分が喜ぶ”ことをする
自分には無理、やっぱりダメだとマイナス思考の人より、自分ならできる、勉強になったとプラス思考で物事を考える人の方が成功者の条件を兼ね備えている。
・その日頑張れた自分をホメる(手塚治虫)
・運が良いと口に出していう(トーマス・エジソン)
・自分の一番得意なことを人に聞く(マイケル・ジョーダン)
3.まずはやってみる
こうなりたいと思う夢や憧れの人があるとする。どうしたらそれに近づけるのかを考えれば、やるべきことは自ずと見えてくる。成功は小さな習慣の積み重ね。ただ指をくわえて見ているだけでは何もはじまらない。
・人の長所を盗む(スティーブ・ジョブス、ウォルマートの創業者サム・ウォルトン)
・人気店に入り、人気の秘密を観察する(科学者アルバート・セント・ジョルジ)
人生の壁にぶち当たった主人公が、どうやって切り抜けていこうとしたのか、その姿に私たち読者に勇気をくれます。ガネーシャとのやり取りは笑いと涙を誘い、読み終わった後、主人公のもとを去ったインドの神様・ガネーシャが自分の人生にもしっかりと傷跡を残してくれていることに感動します。ガネーシャの的確なアドバイスは読んだ方の人生の潤滑油になること間違いなし!でしょう。おすすめの一冊です。